2分でわかるアメリカ

2011/04/19驚くほど高いアメリカの若者の失業率


ロサンゼルスにある名門大学USC。友人の娘が、MBAを間もなく終えるのですが、就職先が決まっていません。かつては多くの引きがあったMBA卒業生の多くは、就職先が見つからずにいます。知り合いが勤める大手映画会社では先月、新たなレイオフが実施されましたが、解雇された人は若い人ばかりだったそうです。

今月初めに労働省が発表した雇用統計では、失業率が8.8%に改善しました。ただ、最新の労働省のデータによりますと、16歳から19歳までの失業率は23.9%から24.5%に上昇しました。

アメリカの企業の多くは、コストを落とすためレイオフを頻繁に実施します。典型的なのは、経営トップが各部署に削減目標を提示、それを受けて部署の責任者が切りやすい若い人をカットします。若い人は給与が低いので、給与が高い幹部を削減した方が良いと思うのですが、人間関係や幹部の自己保全もあって若い人が最初にレイオフされる話を頻繁に聞きます。

最低労働賃金が12の州で引き上げられたことも、若者の高失業率を加速させる要因です。ミラー・タバックのストラテジストは「最低労働賃金の上昇が、新規雇用のハードルを高くしている」とCNBCに語っています。

若い人が職を持たないと収入も得られないため、ティーンズ向けのアパレルメーカーなどは大変です。サバロピザというショッピングモールなどに出店していたピザチェーンが最近経営破たんしたのですが、これは若者の消費が落ち込んでいることが背景です。

金融危機の前の2008年5月、全米の失業率は5.4%でしたが、若者の失業率は19%でした。若者の失業率は景気悪化のサインとされています。アメリカの景気回復を示す経済指標が出ていますが、本格回復はまだ先のような気がします。  

[April 18, 2011] No 010395

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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