2分でわかるアメリカ

2011/03/29欧米紙の購読料は日本の3分の1


アメリカを代表する新聞の一つであるニューヨーク・タイムズの電子版がきょう28日から有料になりました。インターネットが普及し実売部数と広告収入が激減する一方、高い固定費を抱える世界の新聞社はどこも、厳しい経営を迫られていますが、世界で最も読まれているニューヨーク・タイムズも例外ではありません。

料金は通常のオンライン・アクセスでは15ドル(約1200円)です月29ドル60セント(約2390円)払っている紙版の購読者はデジタルへのアクセスが無料になります。

アメリカでは、ウォール・ストリート・ジャーナルが業界に先駆け電子版の有料化に踏み切りました。僕は、紙版とデジタル版合わせて月12ドル81セント(約1030円)払っています。もうひとつ、イギリスのフィナンシャル・タイムズも有料で電子版のみであれば年間179ドル、月に14ドル91セント(約1200円)です。

この購読料をみて「日本の新聞は随分高い」と思ったのではないでしょうか。日本で電子版の有料化で先行した日経新聞のサイトで確認すると、朝刊だけの場合は4568円で1000円プラスして5568円払うと電子版が読み放題。電子版だけの購読料金は4000円で、ニューヨーク・タイムズやフィナンシャル・タイムズの3.33倍です。

日本の物価が高いから、円高だから、という説明も出来ると思うのですが、それにしても差があります。背景には、日本の再販制度があります。1953年に導入された再販制度は、書籍、雑誌、新聞、音楽CDなどの商品に関して著作権保護の観点から定価販売が義務付けられています。さらに新聞は特殊指定され値引きが禁止されています。世界の主要国で同様の制度があるのは、オーストリアなどほんの一部です。

インターネットで無料情報が溢れている今、一般紙のニューヨーク・タイムズの電子版有料化は「チャレンジ」と言えます。成功すれば、アメリカだけではなく日本でも同様の動きが広がりそうです。個人的には、日本の再販制度を見直し、安く新聞が読めるといいと思っているのですが。  

[March 28, 2011] No 010380

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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