2分でわかるアメリカ

2011/02/11家とローンと現金と


雇用統計やケース・シラー指数ほど注目されませんが、今週アメリカで発表されたデータは、いずれも興味深いものでした。

アメリカ景気の足かせとなっているのは雇用と住宅。FRBのバーナンキ議長が繰り返し指摘しているように、雇用の回復にはまだまだ時間がかかりそうです。

しかし住宅は、価格の下落が続くとの見方が多いものの、長いトンネルの先に光が見えてきたようです。

ムーディーズは、住宅価格と家計の関係を指数化して公表していますが、去年後半の指数が全米47の地域で2003年の水準になりました。エコノミストの多くは「アメリカの住宅バブルは2003年に始まり2006年にピークを打った」と分析しているのですが、ムーディーズの指数では、バブル前の水準に住宅価格が戻ったことを示しています。

シアトルやニューヨークなどは住宅価格がまだ正常とされる水準より高いのですが、クリーブランドやラスベガスなどは2003年の水準を下回っています。

もうひとつ。これはウォール・ストリート・ジャーナルのトップ記事にもなったのですが、全米不動産協会によりますと、去年の不動産取引全体の28%は現金での取引でした。2年前は14%でしたので、割合が2倍になっています。

さらに不動産情報を提供しているジロー・ドットコムのまとめでは、マイアミの不動産取引の54.2%、ラスベガスの45.9%、フェニックスの35.6%が現金での取引でした。現金取引は、審査時間が短縮されることもあり、ローンで買うより5%から10%安く買うことが出来ます。住宅価格が下がる。

価格がまだ下がるかもしれないが現金で買う。「キャッシュ・イズ・キング」(現金が一番)といわれる時代に、現金を不動産に変える人が増えてきていることは、「自信」が戻りつつある兆しかもしれません。株式相場も回復していますし。

[February 10, 2011] No 010349 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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