2分でわかるアメリカ

2011/01/08世界最大の通貨ファンドの相場観


通貨ファンドというと、90年代にイングランド銀行とポンドを巡る攻防戦の末に巨額の収益を上げたジョージ・ソロス氏率いるクオンタム・ファンドが有名です。20年近くが経ち、ソロス氏はまだ現役の投資家ですが、慈善活動に多くの時間を割いています。

いま世界で最大の通貨ファンドは、FXコンセプツです。ジョン・テイラー氏が1988年に法人を顧客として創設したFXコンセプツは現在84億ドル(約7000億円)を運用しています。32億ドルのファンドであるグローバル・カレンシー・プログラムが主力商品です。
 
 

グローバル・カレンシー・プログラムのファンド・マネージャーは、去年の1-3月期にユーロを対ドルで売りはじめました。ギリシャの財政赤字が深刻化し破たんすると予想したからです。予想はズバリでした。そして8月末にFRBのバーナンキ議長が追加金融緩和を示唆したことを受け、6日かけてドルのロング(買い)ポジションをドル・ショート(ポジション)に大きく転換しました。結局、グローバル・カレンシー・ファンドは年12.53%のリターンを上げました。

さて、この有力な通貨ファンドが今年の相場をどう見ているのか。ブルームバーグ・テレビが今週、ジョン・テイラー氏にインタビューしました。

それによりますと、テイラー氏は、ユーロは対ドルでパリティ(1.0)まで下落する可能性があると語っています。しかしながらテイラー氏は「ドルが4-6月期にかけて軟調になりFRBが国債買い入れを終える6月に反発する」とみています。

テイラー氏また、アメリカの景気が予想以上に回復しFRBが金融緩和政策を突然やめることになった場合は資源国通貨が大幅に下落すると予想しています。さらに、議会が歳出の削減を決めれば、ドルは急伸するだろう、とインタビューで話しています。

テイラー氏は実績があるだけに、その相場観は注目に値すると思います。

[January 07, 2011] No 010326

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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