2分でわかるアメリカ

2019/04/17勝てるかも、米大統領候補の新星

2016年11月の大統領選でトランプ大統領が大方の予想に反して勝利したのは、アメリカ人が「変化」を求めていたからではないか。個人的にそう思います。

当時、民主党のヒラリー・クリントン候補が有力視されていましたが、古い政治家の印象を最後まで拭えなかった。政治経験がなかったトランプ氏はどの候補と比べても異色。「変化」を感じさせました。8年の任期を全うした前任のオバマ氏は「Change(変化)」を訴え有権者の心を掴みました。

トランプ氏がホワイトハウスの住人になったことでアメリカが変わりました。地球温暖化対策から距離を置き、グローバリズムに反旗を掲げアメリカの国益を優先しました。ただ、お金持ちだけが潤う構図は変わらなかった。メキシコ国境が危険だとする非常事態宣言は誰も理解できない。アメリカ人はいま、さらなる変化を求めているのではないか。

2020年11月に実施される次の大統領選。共和党は再選を目指すトランプ大統領を候補者に選出することが確実。挑戦する民主党からはこれまでに上院議員、下院議員、知事ら18人が名乗りを上げました。バイデン前副大統領をはじめ出馬を検討している人が少なくともあと7人います。候補者のほとんどは古いタイプの政治家。

こうした中、「この人ならアメリカを本当に変えられる」と予感させる民主党候補者が登場しました。インディアナ州北部の小都市サウスベンドのピート・ブーティジェッジ市長です。

ブーティジェッジ市長は37歳。同性愛者を公表していて、14日の集会では「夫」を支持者に紹介しました。名門ハーバード大学を卒業、奨学金を得てオックスフォード大学でも学びました。29歳の若さで市長に選ばれ、任期中にアフガニスタンに従軍した経験を持ちます。市長としてサウスベンドの経済を再生しました。

無名でしたが、主要メディアが「注目の新星」と報じたことで、出馬宣言の際には全米各地から幅広い層の支持者が集まりました。ブーティジェッジ氏は、汚職と嘘にまみれたワシントンの政治ショーを終わりにしようと訴えました。

ブーティジェッジ氏が民主党の候補に選ばれる可能性はまだ高いとは言えません。ただ、オバマ前大統領が初めて脚光を浴びた当時の状況と類似していて、「ひょっとしたらトランプ大統領に勝てるかもしれない」と思う有権者が増えつつあります。アメリカの大統領選が面白くなってきました。


 [April 16, 2019] No 031844127

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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