2分でわかるアメリカ

2011/01/07投資界の大物が警告する「米の格下げリスク」


アメリカ議会が5日招集されました。野党である共和党が躍進した去年11月の中間選挙の結果を受けた新勢力による初めての議会です。下院再開の冒頭で、共和党のジョン・ベイナー氏が議長に選出され、前議長の民主党のナンシー・ペロシに続いて演説をしました。歴史的な瞬間だったのですが、世界最大の債券運用会社の創設者で共同経営最高責任者のビル・グロス氏は「演説中に寝てしまった」と話しました。お互いの功績をたたえるだけだったからです。

グロス氏は経済チャンネルのCNBCに出演、この中で「共和党と民主党が協調することは難しい、今後数年に渡って激しい攻防が展開される」と予想しました。

グロス氏が心配しているのは、議会が混迷し、財政赤字が増え続けることです。共和党は予算に制限を設けることを主張しているのですが、どの予算を削るのかはこれからです。

OECDによりますと、アメリカ政府の累積債務は対GDP比で89.6%です。199.2%の世界断トツの日本を除いては、先進国の中では高い水準で、赤字は景気が本格的に回復するまでは増え続ける見通しです。

グロス氏は「アメリカの財政赤字がいまのペースで増え続ければ、アメリカの格付けが引き下げられる」と警告しています。

中国が世界第二位の経済大国になる見通しですが、経済規模はアメリカの5分の2に過ぎず、市場の厚みやスケールはアメリカが中国をまだまだ圧倒しています。アメリカが格下げされるということは、世界経済が格下げする、というに等しいともいえ、その影響は計り知れません。

ガイトナー財務長官が国の借金である国債の発行枠が3月末にも上限に達し、上限の引き上げを議会に求めていることが6日明らかになりました。ガイトナー長官は、上限の引き上げがなければ「アメリカはデフォルトを起こすと警告しています。景気浮揚のための歳出増と財政健全化のバランス、この難しい課題にアメリカが直面しています。

  

[January 06, 2011] No 010325

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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