2分でわかるアメリカ

2019/04/13日本人も、米国査証が取れない

「本場、日本の味をNYで」。ニューヨークに駐在したことがある人らなら誰でも知る寿司レストラン「寿司田(すしでん)」のホームページにこう書かれていました。

マンハッタン49丁目にある本店のマディソン店とタイムズスクェアに近い2号店の両方が2月末までに閉店したと友人から聞きました。繁盛していた印象があったので、個人的に驚きました。

「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領の政策が影響したようです。寿司田の社長は日系コミュニティ紙に対し、職人の入国査証(ビザ)が取れなかったことが閉店理由だと話しています。5人の寿司職員が残っていたが6月で3人のビザが切れ、更新や新規のビザ取得ができなかった。アメリカに進出して34年。こんなことは初めてだそうです。

トランプ大統領が就任した2017年以降、アメリカで就労するためのビザの審査が厳格化されました。日本人も例外ではありません。ビザが更新できず帰国するという話を最近よく聞きます。

寿司職人は特殊技能を持つ人向けの「Oビザ」だと思われますが、日本人の多くが利用する専門職の「H1B」の取得も非常に困難になっています。H1B保持者の3割程度が更新を否認されたとの統計もあります。LビザやEビザなど駐在員向けのビザがおりないという話も耳にします。

「メキシコとの国境を封鎖する」などとして、トランプ大統領は中南米からの難民の受け入れを拒絶する姿勢を貫いています。「有能な人だけを受け入れる」としていますが、幅広い国籍、職種の外国人の多くがアメリカで就労できない事態になっています。

IT専門の情報サイト「レコード」は、トランプ大統領の移民政策の恩恵で、カナダがIT大国になりつつあると報じました。グーグル、フェイスブック、アマゾンなどがIT専門職へのビザが取りやすいカナダでの雇用を大幅に増やしているとしています。

カナダにシリコンバレーができ、本格的な日本の味を楽しめる高級寿司レストランが増えるかもしれません。

 [April 12, 2019] No 031844125

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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