2分でわかるアメリカ

2010/12/31中国が米国を抜く日


今年も残すところ、あとわずか。今年は中国が世界から注目された元年だったのではないでしょうか。金融危機から2年が経ちましたが、経済が一向に改善しないアメリカは、矛先を中国に向けました。対米黒字が膨らんでいること、人民元のレートが意図的に低く抑えられていること、グーグルへの検閲など。アメリカのメディアは、連日「中国」を報じました。

実は「日本」もアメリカのメディアに頻繁に登場しました。ただし、「失敗例」としてです。FRBの低金利や量的緩和を論じる際、必ず日本の失われた20年が参考例としてあげられます。70年代から 80年代まで急成長した日本が「なぜ沈んだか」を検証、「日本の失敗を繰り返してはならないと何度も比較されました

25年ほど前、僕が記者生活をはじめた頃、欧米のエコノミストの間で「いつ日本がアメリカを抜くか」が熱く語られました。今は「いつ中国が世界一になるか」が論じられています。

ゴールドマン・サックスは8年ほど前、2041年に中国がGDPでアメリカを抜くと予想しました。予想は見直され、中国が世界一の経済大国になるXデーは2027年に繰り上がりました。中国との結びつきが強いスタンダード・チャータード銀行は、Xデーは2020年だとの予想を先月発表しました。

英エコノミスト誌の最新号は、Xデーは2019年と予想しています。中国が年7.75%、そしてアメリカが年2.5%で成長し、インフレ率は中国が4%、アメリカが1.5%を前提としています。そして、人民元が年3%ずつ切り上がっていくというシナリオで計算されたものです。現在中国のGDP、つまり経済規模はアメリカの5分の2ですが、9年で追いつくとの予想です。

ただし、仮に中国がアメリカを追い抜いたとしても、一人当たりのGDPは依然アメリカの方が大きいことには変わりがない思います。日本が予想に反して沈没していったことを考えると、予想が全く外れる可能性も案外高いかもしれません。

[December 30, 2010] No 010320 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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