2分でわかるアメリカ

2010/12/30テレビを買って使って返す


アメリカで暮らしていて「日本とは違うなあ」と思うことがいくつかあります。その内の一つが「返品」です。

どういうことかといいますと、例えば家電店で大型テレビを買ったとします。家に帰って大リーグを観戦、1週間後に「映像が期待ほど良くなかった」といって返品できるのです。しかも、全額が返ってきます。これを悪用すると、高級ブティックでドレスを購入、パーティーで着た後に返品するということも可能性です。

これらは極端な例ですが、アメリカではお店で買ったモノのほとんどは返品できます。消費者が「リスク」を感じることなく、買い物が出来るという考えに基づくものです。返品できない店はネットのチャットなどで徹底的に批判されるという、いまの時代特有の事情もあります。

家電小売最大手のベストバイは、返品に価格の15%を課していたのですが、今月から無料にしました。ウォール・ストリート・ジャーナルによりますと、デパート大手のメイシーズや玩具のトイザラス、文具大手のオフィス・マックスも最近、返品ポリシーを大幅に緩和しました。オンラインのお店も返品が出来ます。

今年の年末商戦の詳細は年明けに発表されますが、金融危機後で最大になったとみられています。クリスマス直後の今週は、もらったギフトの返品が集中します。全米小売協会などの調査では、今週を含め今年1年で返品された商品は177億ドル(約1兆4500億円)にのぼると予想しています。

僕の知り合いの奥さんは「日常的に返品している」と言います。先日、トイストーリーの衣装を買い、ハロウィーン後に返品しようと値札をつけたまま5歳の子どもに着させました。ところが、衣装はチョコレートだらけになり、返品できなくなったそうです。「返品天国」のアメリカでも、ちょっとやり過ぎですよね。
 
 

[December 29, 2010] No 010319

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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