2分でわかるアメリカ

2010/12/292011年、米経済は新たな歴史をつくるか


カール・ケース氏とロバート・シラー氏、そしてアラン・ワイズ氏の3人のエコノミストが1980年代前半に住宅指数を開発しました。同じ住宅が一定の期間に売買された価格データなどを指数化したものです。2002年にファイサーブとスタンダード・アンド・プアーズが指数を管理する会社を買収しました。

指数は2000年1月を100として計算され、10大都市指数、20大都市指数、そして大都市指数があります。特に20大都市指数が重視されます。S&Pケース・シラー指数はアメリカの住宅価格動向を見る上で最も重要な経済指標です。

けさ発表された最新のS&Pケース・シラー住宅価格指数のうち、20大都市指数は1%低下しました。住宅購入者向け税控除措置が終了したこと、そして不良債権在庫が膨らんでいることが背景にあります。

アメリカの不動産市場のリサーチ会社であるリアルティ・トラックによりますと、住宅差し押さえ件数は、来年過去最高になると予想しています。今年7-9月にアメリカで販売された住宅の4分の1は不良債権物件です。市場価格より平均で32%低い価格で売られました。S&Pで指数算出の責任者であるブリッツアー氏は「住宅市場はまもなく二番底に陥る」とコメントしています。

ウォール街は、「来年はアメリカの年」として、景気が3%前後成長すると予想しています。失業率が9%台でも景気が回復に向かうとみています。いわゆる「雇用なき成長アメリカは過去に1991年と2002年に経験しています。

しかし、住宅価格が下落した状態でアメリカ経済が回復したことは過去にありません。ほとんどのアメリカ人は不動産を売買することで資産を築きましたが、2011年に「不動産下落の中の回復」という新たな歴史がつくられるのか注目です。

[December 28, 2010] No 010318 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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