2分でわかるアメリカ

2010/12/282011年大予想パート3「米国経済とドル」


大統領も議会も会社も今週いっぱい休みなので、きょうの朝刊は紙面が極端に薄くなっています。ニュースが少ない時は、回顧ものや見通しものなど企画記事が増えます。ウォール・ストリート・ジャーナルは来年のアメリカ経済の見通しを伝えています。

まず、来年のGDPについて3%の成長を予想しています。8500億ドル規模の景気刺激となる大型減税の延長が決まったため、従来の予想がアップグレードされています。しかし問題は、巨額な国の借金をいずれ返却しなければならないことです。

「アメリカ政府はドルを刷り続けることになりますが、インフレに関しては少なくとも来年いっぱいは問題にならない」とウォール・ストリート・ジャーナル紙は分析しています。

ただ経済が成長し、景気が回復に向かうとインフレ圧力が徐々に高まるため、政策金利については来年中にも引き上げられる可能性があるとしています。現時点で、「いつか」を予想するのは難しく、経済情勢次第で、利上げは再来年以降になることもありそうです。

そしてドル。アメリカの借金そしてドルの買い手は中国です。中国は、債務危機がいつ終わるかわからないユーロ債よりも、米国債とドルを買い続けています。しかし、中国が方向を変えたとき、ドルは大幅に値を下げるとウォール・ストリート・ジャーナルはみています。経済の教科書的には、ドルを大量に刷る、そしてアメリカ政府の債務が膨らむとドルの価値は下がりますが、来年のドル相場に関しては中国の対外投資、そして金融引き締め次第と言えます

オバマ大統領は今後5年で輸出を倍増したい考えです。「弱いドル」は輸出を助けますが、そのドルは有力な輸出先である中国次第というのも皮肉な話です。

[December 27, 2010] No 010317 
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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