2分でわかるアメリカ

2010/12/22リーマン幹部のその後


リーマン・ブラザーズが破たんして2年と99日。本社があったアメリカだけではなく、世界経済は依然として低迷しています。その影響がいかに大きかったかを物語っています。

ニューヨーク州のクオモ司法長官が、リーマンの財務報告を改ざんするのを意図的に見逃したとして、証券詐欺罪の容疑で大手会計事務所アースト・アンド・ヤングを提訴しました。

意外かもしれませんが、リーマンが破たん後で初の本格的な訴訟になります。しかも、リーマンの元経営者が訴えられたのではなく、監査を担当した会社への訴訟です。記事を読む限り「見逃した」疑いが濃厚です。

ところで、リーマンの元幹部は現在どうしているのか。

ニューヨーク・タイムズなどによりますと、元CEOのリチャード・ファルド氏は、マトリックス・アドバイザーズという投資顧問会社を立ち上げ、元リーマンの顧客らに助言しています。

最後のCFOだったイアン・ローウィット氏は、イギリスの金融機関バークレイズで、アメリカ富裕層を対象にした部門のCOOをしています。バークレイズはリーマンのアメリカ部門の売却先です。

ローウィット氏の前任のCFOだったエリン・カラン氏は、リーマンが破たんする2カ月前にクレディ・スイスに移りましたが、直ぐに金融業界から離れました。3人ともマスコミなど表舞台には出ず静かに暮らしています。リーマンのヨーロッパやアジアの従業員の多くは、野村の社員として活躍しているのはご存知だと思います。

 それにしても、破たんしてから2年以上たったいま、再びリーマンが脚光を浴びることは、どの幹部も社員も想像だにしなかったと思います。個人的には今回のニュースで、2002年のエンロン破たんに絡む粉飾会計で有罪となったアーサー・アンダーセンの事件を思い出しました。
 

[December 21, 2010] No 010314

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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