2分でわかるアメリカ

2010/12/16価格に超慎重なアメリカ人


アメリカの家電販売最大手のベストバイ。日本で言うとビックカメラやヤマダ電機のようなコンピュータから携帯電話、テレビ、DVD、冷蔵庫まで何でも揃う巨大な電気屋さんです。同業2位のサーキットシティが破たんして以降も、全米に店舗を展開するベストバイは絶好調で、優良企業として知られています。

しかし、14日きのう発表されたベストバイの9-11月期の決算をみてウォール街は大ショックを受けました。純利益が去年の同じ時期に比べて4.4%減少。開店から1年以上経過した店舗の売り上げである既存店売上高も3.3%減少しました。ウォール街のアナリストの予想を大幅に下回る内容でした。同じ日に発表された全業種の小売売上高が増加したことも影響して、決算の悪さはベストバイ特有のものだと捉えられました。

特にDVDなどのソフトとテレビの売り上げの2ケタ減が目立ちました。DVDやCDは、オンラインを利用する人が急速に増えているため、売り上げが落ちるのは理解できます。しかし、テレビは別です。ベストバイは、ソニーと組んで3Dやインターネット・テレビの宣伝をテレビやプリントメディアで大キャンペーンを実施しました。さらに、今年の年末商戦では、テレビは引き続き目玉とされています。それにも関わらず、テレビの売り上げが低迷しているのは、価格競争についていけなくなったことが背景です。

ターゲットという日本で言うイオンのような大型店があるのですが、感謝祭の翌日のブラックフライデーに40インチのテレビを300ドル(約2万5000円)で販売。ディスカウントで知られるウォルマートでもアマゾンでもテレビはメーカーを問わず激安で売られています。インターネットで価格を比較する消費者がちょっとでも高いと他に流れてしまうのです。

僕は最近、ベストバイやデパートはショールームとして使っています。欲しいものを実際に手に取って試し、気に入っても店では買わず、家に帰ってオンラインで購入するのです。価格が大幅に安く、消費税にあたるセールスタックスもかからないので、半額近くになることも少なくありません。僕の友人の多くもそうしています。

クリスマス前のこの時期は、好況不況に関わらずアメリカ人はお金を使います。消費者がお金を使いはじめたことを示す指標も増えています。しかし、先行きは依然不透明です。ベストバイの決算は、アメリカ人が価格に敏感になっていることを示しています。  
[December 15, 2010] No 010310

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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