2分でわかるアメリカ

2010/12/14訴訟と家族と自殺


2年前、ひとりの著名投資家が、2人の息子に対して「ひとつだけ大きなウソをついていた」と話をしました。そして、その翌日、投資家は逮捕されました。投資家の名前は、バーナード・マドフ。史上最大の証券詐欺罪で150年の判決を受け、ノースカロライナの連邦刑務所で服役中です。

事件が公になってから丸2年後の11日朝。ニューヨークのアパートでマドフ受刑者の長男マーク・マドフ氏(46)が首つり自殺しました。2歳の赤ちゃんが隣の部屋で眠っていました

マドフ詐欺事件でこれまでに、バーナード・マドフ受刑者以外に7人の元社員らが逮捕されています。マーク・マドフ氏と弟のアンドリュー・マドフ氏も捜査対象になっています。

マーク・マドフ氏は、「丸2年」が近づいた過去1週間は塞ぎ気味で、ウォール・ストリート・ジャーナルが家族の記事を取り上げるという噂が流れ、ショックを受けていたそうです。

11日付けのウォール・ストリート・ジャーナルの一面にはマーク・マドフ氏の写真を含め大きな記事が噂どおり掲載されました。記事を読んだ後に自殺したかどうかは明らかではありませんが。

マーク氏の妻はフロリダで別居していて、姓を旧姓に戻しました。マーク氏自身は、2年前に父親が逮捕されてからウォール街で職を探していましたが見つからず、最近はiPad向けのアプリを制作する会社をはじめましたが、「マドフ」という文字をはずした新しいメールアドレスを使っていました。「マドフという姓を背負っていく重圧から逃れたかったためです。

ウォール街の史上最大の詐欺事件は複雑で、全ての捜査と裁判が終わるまでには何年もかかるとみられます。破たんしたマドフ氏の投資会社の管財人は、約2億ドルの賠償を求めてマーク・マドフ氏を訴えるとともに、マーク・マドフ氏の3人の子供も訴えました。ウォール・ストリート・ジャーナルは、「自殺による訴訟への影響はない」との管財人のコメントを掲載しています。
 
 

[December 13, 2010] No 010308

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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