2分でわかるアメリカ

2010/03/20オバマ大統領の陰謀説


 今後10年にわたって85兆円規模の費用がかかる医療保険改革法案を議会で通過させるため、オバマ大統領はアジア訪問を2度にわたって延期しました。懸案の法案は、今度の日曜日に議会で審議されます。オバマ大統領は、先ほどバージニア州で演説し、その歴史的意義を強調しました。 

オバマ大統領が、それほど医療保険改革にこだわるのには訳があります。

アメリカは世界一医療費が高い上に、失業者が増え医療/健康保険が持てない人が急増しているからです。ちょっとバイアスがかかっているとは思いますが、マイケル・ムーア監督の97年の作品「シッコ(SICKO)」に描かれている問題は深刻さが増しています。そしてもう一つ、オバマ大統領の支持率が当初の70%超から50%程度に急落していることも背景にあります。

オバマ人気に陰りが見えてきた中、複数の知り合いから「是非見てみて」といわれた映画があります。ムーア監督の映画ではありません。オバマ・デセプションつまり「オバマ大統領の欺き」とでも訳せるドキュメンタリー映画です。去年3月に公開されたものですが、ユーチューブ(YOUTUBE)に2時間弱の全編がアップロードされていて、これまでに540万人以上がアクセスしています。

オバマ大統領はビルダーバーグという組織の操り人形にすぎず、「アメリカ国民を欺き世界の富を略奪している」という内容の映画です。ビルダー会議とは、欧米の王室、政財界、マスコミの代表者などが政治経済などを話し合う完全非公開の会議です。

大統領選中の08年、当時のオバマ候補に空白の2日間があり、バージニア州で開かれたビルダーバーグ会議に参加していました。去年はアテネで開催され、オバマ政権の中枢にいるボルカー氏やガイトナー財務長官らが出席しています。主要企業のトップの他、マスコミのトップも参加していることもあり、会議の内容が取り上げられることはありません。ちなみに日本をはじめアジアの招待者はいません。

陰謀説はいつの時代にもあり、個人的にはあまり好きではありません。ただ、リーマンショックが起こった08年にアメリカで、ギリシャ危機が起こったアテネで、去年、開催されたのは単なる偶然なのかとも思います。いずれにせよ、こうした映画がユーチューブで削除されないのは、アメリカの懐の深さであり、グーグル問題が発覚した中国とは違うなあ、と考えます。

[March 19, 2010] No 01015

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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