2分でわかるアメリカ

2018/06/14歴史的会談めぐる認識ギャップ

トランプ大統領は13日、金正恩朝鮮労働党委員長と会談したシンガポールから帰国しました。エアフォースワンがワシントン郊外のアンドリューズ空軍基地に着陸した直後、北朝鮮の核の脅威はなくなったと宣言しました。


トランプ大統領は「私が大統領に就任した時と比べ、誰もがずっと安心できるようになった。北朝鮮による核の脅威はもはやない」とツイッターに投稿しました。核の脅威はもはやないとの文言を大文字で強調しました。続けて、「オバマ前大統領は北朝鮮がアメリカにとって最も危険な問題だとしていたが、もはやそうではない」とツイートしました。


一方、北朝鮮の国営メディアである朝鮮中央通信は13日、朝鮮半島の非核化を段階的に進めるとの認識で米朝首脳が一致したと報じました。朝鮮中央通信はまた、関係改善の進展に伴いアメリカが制裁を解除すること、米韓合同軍事演習を中止する方針も示されたと伝えました。


認識のギャップが大きい。会談前、トランプ大統領は検証可能な完全な核放棄、いわゆるCVIDを絶対条件としていましたが、両首脳が署名した共同声明での言及はない。「時間がなかった」とトランプ大統領は記者会見で言い訳しましたが、どうみても北朝鮮の核の脅威がなくなったとは言えないのではないか。


アメリカの議会、外交や安全保障の専門家、主要メディアは、米朝首脳会談の声明には具体策が欠けていると批判しています。譲歩しすぎた一方、何も得られていないとしています。ポンペオ国務長官は反論していますが、批判はおさまりません。


トランプ大統領は、来週にもポンペオ国務長官と安全保障担当のボルトン補佐官を平壌に派遣する方向です。認識のギャップが埋まるかは不透明です。米朝間に新たなページが開かれたことは事実ですが、朝鮮半島に平和が訪れたと言えるまでには、まだ時間がかかりそうです。


[June 13, 2018]  No 031843916

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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