2分でわかるアメリカ

2010/12/07早くもささやかれるQE3


FRBが先月初めの金融政策を決める会合FOMCで、6000億ドル規模の国債購入プログラムを発表した際、内外から多くの批判が出ました。「ドルの価値を意図的に下げる」とか「効果がない」とされ、マーケットでは、FRBの意図に反し、金利が上昇しました。このプログラムは、A Second Round of Quantitative Easing、略してQE2と呼ばれます。

日本語では追加金融緩和第2弾と訳せます。 FRBは計画通り、債券市場で米国債を連日買い入れ、大量の資金を供給しています。発表から1カ月。内外の批判は消え、ヨーロッパの中央銀行であるECBに至っては、債務危機を抑えるためFRBと同様の追加金融緩和、つまりQEを積極的に実施しています。そしてアメリカでは、追加金融緩和第3弾、QE3の可能性がささやかれはじめました。

FRBのバーナンキ議長は、著名な報道番組であるCBSの60ミニッツのインタビューに対し、追加の国債購入、つまりQE3の可能性を示唆しました。

マーケットで、QE3がささやかれはじめたのは、先週の金曜日3日です。11月の雇用統計があまりにも悪く、景気回復の遅れが示されたことがきっかけです。バーナンキ議長は、かねてから雇用問題が景気に悪い影響を与えると指摘していました。60ミニッツのインタビューは5日夜に放送されたのですが、収録は先月30日。つまり、雇用統計をみる前に発言したもので「QEで景気を改善する」という強い意志が確認出来ます。

バーナンキ議長だけではなく、他のFRB関係者も最近、QE3の可能性を示唆する発言をしています。イエレン副議長は経済が弱い場合追加措置もあり得ると発言ニューヨーク連銀のダドリー総裁は景気と雇用回復に自信を持つには早すぎると語っています

 まだQE2ははじまったばかりで、来年4月まで続けられます。QE3があるかどうかを議論するのは時期尚早ですが、マーケットは「先読み」で動くので、弱い経済指標が出た場合、QE2への期待で株高・債券高・ドル安が進んだ9月と10月の相場が繰り返される可能性が出てきました。 

[December 06, 2010] No 010303

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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