2分でわかるアメリカ

2018/06/01米朝首脳会談の2回目、3回目あるか

ニューヨーク・マンハッタンから東側に数分歩くと、ガラス張りの高層ビルがあります。ミレニアム・ヒルトン・ニューヨーク・ワン・UNプラザ。国連本部のすぐそば。北朝鮮代表部にも近い。30日午後、金英哲(キム・ヨンチョル)朝鮮労働党副委員長はJFK空港から直行しました。金英哲副委員長は、諜報機関の幹部、核交渉の責任者を長くつとめ、金正恩委員長の信頼が厚いとされています。


2000年にビル・クリントン大統領(当時)と会談した趙明禄(チョ・ミンロク)国防委員会第一副委員長以来で最も地位が高い北朝鮮の高官の訪問だけに、多くの報道陣が待ち受けました。ただ、記者団の質問には無言でした。


アメリカのポンペオ国務長官は北朝鮮からの客人と夕食をともにし、31日も会談を続けました。2日目の会談は予定より短く、90分で終了しました。会談後、ポンペオ長官は「前に進んでいる」と述べましたが、詳細は明らかにしませんでした。


トランプ大統領は訪問中のテキサス州で、記者団に対し、北朝鮮との会談は「とても順調に進んでいる」と説明しました。その上で、1回の会談で全て終えるのではなく、合意に至るまで会談は2、3回行われる可能性があると述べました。


ポンペオ国務長官と金英哲副委員長はニューヨークでの会談で、6月12日にシンガポールで実現する可能性がある米朝首脳会談の議題を詰めたとみられています。北朝鮮の核放棄の問題、見返りとしてのアメリカによる経済協力のタイミングなど。


核放棄については、即時の完全放棄を求めるアメリカと段階的な放棄を主張する北朝鮮の溝が深く、妥協点を見出すのは容易ではありません。トランプ大統領が複数回の会談の可能性に言及したのは、1回目の会談では核放棄と経済協力の方向性を確認するにとどめ、長期戦になることを覚悟したとも受け取れます。


金英哲副委員長は6月1日にワシントンで、金正恩委員長の親書をトランプ大統領に手渡す予定です。一旦は白紙になった歴史的な会談ですが、今週の展開は米朝双方が会談の実現をいかに望んでいるかを表しています。当初の会談予定日まで2週間を切りました。


[May 31, 2018]  No 031843907

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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