2分でわかるアメリカ

2010/12/04友人の会社が買収されました


家族ぐるみでお付き合いしているロシア人一家。ご主人のセルゲイが18年前につくった会社が、ペプシに54億ドル(約4500億円)で買収されました。

ソビエトが崩壊した直後、セルゲイの娘が生まれました。経済が混乱していて、娘に十分なミルクやジュースを買うことが出来ませんでした。このため、友人3人とウィム・ビル・ダンという会社を設立、ジュースをつくり始めました。ロシア産の素材を使ったジュースは大ヒット、ミルクやヨーグルトの生産もはじめました。

会社は順調に成長、いまではフランスのダノン・グループとロシアの飲料マーケットを二分しています。従業員は1万6000人、売り上げは100億ドルを超えています。モスクワ証券取引所に上場、2002年にニューヨーク証券取引所にも上場しました。まさにロシアのサクセス・ストーリーです。

一方の買う側のペプシ。旧ソビエト時代の1974年、ロシアでペプシ・コーラの販売を開始しました。モスクワで開かれた国際見本市をフルシチョフ書記長が訪れペプシ・コーラを試飲したことがきっかけです。交換条件としてソビエトは、ウォッカを北米に輸出しました。ペプシは冷戦時代の米露友好の象徴だったのです。

僕がモスクワに駐在していた1990年代半ば、モスクワでペプシを取材したことがあります。妻のコロンビア大学大学院での研究テーマは「ウィム・ビル・ダンとロシア経済」でした。4年前にセルゲイと奥さんのオルガに知り合ったのは、単なる偶然だったのか、不思議でたまりません。

新生ロシアの象徴とも言えるウィム・ビル・ダンと旧ソビエトの西側の象徴だったペプシの結婚は、新しい時代の幕開けを意味するように思います。次にセルゲイと食事をする際、売却の裏話をじっくり聞くつもりで、いまから楽しみです。  

[December 03, 2010] No 010302

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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