2分でわかるアメリカ

2018/05/15米中ヤマ場、譲歩のための譲歩

「私は、中国の通信機器会社ZTEが早期に事業を再開できるよう中国の習国家主席と協力する。中国であまりに多くの雇用者が失われる可能性がある」。アメリカのトランプ大統領は13日朝、ツイッターに投稿しました。


ZTEをめぐっては、アメリカ商務省は4月、イランや北朝鮮に不法に製品を輸出したとして、アメリカ企業がZTEに部品を供給するのを7年間禁止する制裁を科しました。


アメリカの雇用を奪っていると批判し、貿易赤字を大幅に解消するよう要求。トランプ大統領はこれまで中国に対する強硬な姿勢を貫いてきました。13日のツイートは、トランプ大統領が対中政策を転換する可能性を示唆しています。「譲歩を引き出すための譲歩」かもしれません。


米中の貿易摩擦問題が1つのヤマ場を迎えます。習主席の「経済ブレーン」とされる劉副首相のほか、商務省、財務省、外務省、中国人民銀行の幹部らが訪米。アメリカのムニューシン財務長官、ロス商務長官、ライトハイザー通商代表らと貿易問題を協議します。


「ZTE問題」は米中貿易摩擦の象徴的存在です。譲歩する姿勢を示すことで、貿易協議で中国側から譲歩を引き出すトランプ大統領の戦略がうかがえます。アメリカの大手企業から痛烈に批判されているうえ、 歴史的な米朝首脳会談を来月に控え、北朝鮮の後ろ盾的な存在である中国との関係をこじらせたくないとの思いもあるのかもしれません。


米中閣僚級協議が15日からワシントンで始まります。今月3日と4日に北京で開かれた協議に続くもの。1回目の協議は物別れに終わりました。トランプ大統領は歩み寄る姿勢を示しましたが、中国が譲歩するかは不明。ロス商務長官は協議前に、米中の見解には隔たりが依然として大きいとの認識を示しました。経済大国2カ国の協議の行方は世界に与える影響が大きいだけに、注目が高まっています。


 [May 14, 2018]  No 031843896

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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