2分でわかるアメリカ

2018/05/116月12日シンガポール

外交で稼ぐ。このところのトランプ大統領をみているとそう思うことが少なくありません。


型破りの行動を支持する人もいますが、品位に欠ける発言や保護主的な政策を批判する人は多い。賛否が極端に分かれているのが特徴です。中間選挙を11月に控え、少しでも支持者を増やしたい。トランプ大統領の本音ではないかと思います。


政党、年齢、性別、人種、所得層を問わず支持されているのが対北朝鮮政策です。去年の強硬姿勢も最近の融和的なアプローチも批判が少ない。というよりほとんどない。


「非常に待ち望まれた金正恩朝鮮労働党委員長と私自身の会談を6月12日にシンガポールで実施する。世界平和のための特別な瞬間をつくるよう双方が努力する」。トランプ大統領は10日早朝、ツイッターに投稿しました。


ツイートの5時間前の深夜2時。トランプ大統領はワシントン郊外にあるアンドリュース空軍基地にいました。平壌に派遣したポンペオ国務長官とともに帰国した韓国系アメリカ人3人を出迎えるためです。3人はスパイ容疑や反逆罪などで北朝鮮の刑務所に収監されていました。


主要テレビやニュースチャンネルは、解放された3人を満面の笑顔で出迎えたトランプ大統領の映像をトップニュースとして流しました。主要紙のウェブ版も詳しく伝えました。いつものトランプ批判はなく、トランプ政権の外交の成果だと解説しました。議会では、与党の共和党だけではなく、野党の民主党も歓迎する意向を示しました。


肝心なのはこれから。日程と開催地は決まったものの、北朝鮮の非核化の解釈をめぐる双方の主張の隔たりは大きい。ホワイトハウス、国務省、国防省はあらゆるシナリオを検討しているとみられますが、やってみるまでわからない。金委員長は予想以上に手強そう。


米朝首脳会談まであと1カ月。異色の大統領が歴史を塗り替えるか。世界が注目しています。


 [May 10, 2018]  No 031843894

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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