2分でわかるアメリカ

2018/04/26運転手がいない、アメリカでも

過剰な時間外労働に絡む問題で、日本の宅配最大手のヤマト運輸が労働環境の大幅な改善を進めています。結果として、宅配便料金の値上げや宅配時間帯の指定枠が変更されました。


アメリカでは、時間外労働や残業代未払いの問題はほとんど存在しません。労務当局が厳格でルールが明確、訴訟大国であるため企業がコンプライアンスを徹底していることが背景にあると思います。労働に対する考え方の違いも背景の1つかもしれません。


それでも、運転手不足、トラック不足の問題が浮上しています。全米トラック協会の調べでは、低賃金や高齢化を背景に、去年は5万700人の運転手が不足しました。2026年には17万4000人が不足すると予想しています。


背景には、アマゾン・ドット・コムの躍進があります。アメリカ人の日常生活でアマゾンは欠かせない。切手から食料品まで、あらゆる買い物をアマゾンに依存しています。アマゾン効果で、運転手とトラックの不足が深刻化しつつあります。


CNBCによると、半導体大手のエヌビディア、玩具大手のハズブロなど数社の幹部は、トラック不足が業務に影響していることを明らかにしています。タイムリーに物品を顧客に運べないことが増えているようです。


運転手の行動をELDというGPS搭載のデバイスで監視することが去年末から義務付けられたことも大きい。労働時間をさらに厳密に管理するもので、時間外労働が制限されることになりました。


「働き方」の問題では、アメリカは日本の何年も先に進んでいます。しかし、「宅配問題」は日本が先行、アメリカはこれからです。


 [April 25, 2018]  No 031843886


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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