2分でわかるアメリカ

2018/03/21データ・サイエンティスト

このところ、データ・サイエンティストという言葉をよく耳にします。大量のデータを分析した結果から導かれた手法を実務に役立てる職業のこと。いわゆる「ビッグ・データ」を解析するプロです。


企業の利益を飛躍的に伸ばすことで知られていますが、ビジネス以外で活躍することも少なくありません。イギリスのケンブリッジ・アナリティカはデータ・サイエンティストの集団です。いま、このデータ分析会社が注目を集めています。


ニューヨークタイムズとイギリスのオブザーバーは17日、2016年のアメリカ大統領選でトランプ陣営が契約していたケンブリッジ・アナリティカが、5000万人のフェイスブック・ユーザーの個人情報を本人の同意なしに取得、保持していたと報じました。内部告発者の話が情報源だとしています。


報道を受け、フェイスブックの株価が急落しました。ニューヨーク株式市場の20日の取引でも下げが止まりませんでした。創業者のマーク・ザッカーバーグ氏は日本円に換算して4兆円を超す資産を失いました。グーグルやツイッターなどソーシャル・メディア会社も連れ安しました。


フェイスブックはケンブリッジ・アナリティカとの契約を破棄。「データ流出ではない」と反論しました。しかし、社外の反応は厳しく、ザッカーバーグ氏に対する批判は想像以上に大きい。アメリカ連邦議会の上院が同氏を証人喚問、イギリス議会も証言を求めました。アメリカの連邦取引委員会(FTC)が本格的な調査を開始したとも報じられました。


データ解析は経営や選挙活動に欠かせない存在になっていますが、個人情報が不正利用されるという危うさもあります。アメリカ大統領選にロシアが介入したとされる「ロシア疑惑」の影響もあり、ソーシャル・メディアの規制強化の動きが加速しています。


ケンブリッジ・アナリティカは、アメリカ大統領選のトランプ陣営のほか、EU離脱の是非を問うイギリスの国民投票の離脱派とも契約していました。選挙結果に一定の影響を与えたことは間違いないのではないかと思います。


 [March 20, 2018]  No 031843862


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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