2分でわかるアメリカ

2018/03/16トランプとプーチンの不思議な関係

冷戦時代にスパイの活動拠点になったブリュッセル、続けてモスクワに駐在した1990年代。スパイ小説を集中的に読んだ記憶があります。舞台となった場所を訪ねるのが楽しかった。


冷戦終了から約20年後の2018年。冷戦時代さながらのスパイが絡んだ事件が発生しました。


メイ首相は14日、イギリス南部のソールズベリーでロシア軍情報機関の元大佐と娘が襲撃された事件について、ロシアの関与が濃厚だとの見方を示しました。その上で、ロシアの外交官23人を国外追放しました。大使館にいる外交官の4割に相当。冷戦後で最大規模の報復措置です。この少し前、イギリスでは神経剤「ノビチョク」を使ったロシアの元スパイの暗殺未遂事件も発生しました。


アメリカのトランプ大統領もメイ首相に同調しました。ドイツのメルケル首相とフランスのマクロン大統領にも声をかけ、英米独仏の共同声明でロシアを批判、神経剤に関する情報の完全開示を求めました。


トランプ政権はさらに、2016年のアメリカ大統領選に介入したほか、世界で被害が相次いだ去年6月のサイバー攻撃に関与したとして、ロシアの連邦保安局(FSB、KGBの後継組織)と軍の情報総局(GRU)など5団体と19個人に対する制裁を発表しました。アメリカ入国が禁止されるほか、アメリカ国内の資産が凍結されます。


トランプ政権が、大統領選に関する問題でロシアを制裁するのは初めてのこと。制裁対象には、モラー特別検察官の「ロシア疑惑」をめぐる捜査対象も含まれています。


これはどういうことなのか。モラー特別検察官は「ロシア疑惑」でトランプ陣営を捜査しているのではないのか。ティラーソン国務長官は「ロシアの動きが怪しい」と声をあげていたのに解任された。冷戦時代さながらのスパイが絡む事件、「ロシア疑惑」、そしてホワイトハウス内の混乱が複雑に絡み特異な展開になっています。


次の日曜日18日にロシア大統領選挙が実施されます。プーチン大統領が圧勝する見通しですが、反プーチン派も予想外に多い。一方のトランプ大統領は11月に中間選挙を控えています。2つの超大国の選挙も一連の特異な展開に影響しているようです。


[March 15, 2018]  No 031843859

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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