2分でわかるアメリカ

2018/03/09トランプ関税の背後にいる人

アメリカのトランプ大統領が8日午後、鉄鋼の輸入品に25%、アルミニウムに10%の関税を課す大統領令に署名しました。15日後に発動。北米自由貿易協定(NAFTA)を再交渉中のカナダとメキシコはとりあえず除外するとしています。関税賦課の対象になった国に対しても交渉に応じることが盛り込まれました。


トランプ大統領は記者会見で、「友好国に対しては柔軟に対応する」と述べました。一方で、関税は安全保障の観点から重要で、すべての企業にアメリカ製品を買うよう求めました。


ウォールストリートジャーナル(WSJ)は、「トランプ関税」を裏で支える人物という記事を掲載しました。ピーター・ナバロ氏。ホワイトハウスに新設された通商製造業政策局(OTMP)の局長です。


就任前はカリフォルニア大学アーバイン校の教授でした。著書「Death by China(中国による死)」はトランプ氏の選挙キャンペーンに大きな影響を与えたとされています。対中強硬派として知られています。


就任間もない頃、ナバロ氏は目立った行動を控えました。通商製造業政策局長は国家経済会議(NEC)のコーン委員長の組織下に置かれました。しかし、「トランプ関税」に異論を唱えコーン氏が辞任したことで、ナバロ氏に脚光があたりました。通商強硬派のロス商務長官とともに、「トランプ関税」を推進しました。


WSJによると、ナバロ氏は、ヨーロッパと日本、そして、中国の重商主義(マーカンタリズム)の犠牲になった国とパートナーシップを形成、WTOに中国を提訴することも主張しています。


鉄鋼とアルミニウムの輸入品に対する高率関税は、主に中国を対象にしたものだと指摘されています。次は、中国に対する直接制裁になる可能性があります。中国問題は、ナバロ氏が最も得意とするところ。WSJは別の記事で、トランプ政権は中国に対し、アメリカの対中赤字を1000億米ドル(10兆6000億円)削減するよう要請したとする関係者の話を伝えました。

 
[March 08, 2018]  No 031843854


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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