2分でわかるアメリカ

2018/02/01トランプ氏、異例に長い北朝鮮批判

トランプ大統領が30日夜、就任後初めて一般教書演説をしました。連邦議会に対し国家の現状に関する大統領の見解、そして政治課題を説明する演説。いわゆる所信表明演説です。伝統にならい、主要ネットワークが中継しました。


1時間20分に及ぶ演説の中でトランプ大統領は、「This is Our New American Moment(新しいアメリカのときだ)」と宣言しました。経済的成果を誇示、過去の過ちを繰り返さず、アメリカ第一主義を貫くと強調しました。


経済政策の柱は大型のインフラ投資。日本円に換算して約160兆円を投じて道路や橋を建設、修復するため、議会の協力を求めました。


注目された移民政策では、幼少期に不法入国した80万人の若者に市民権を与える制度を導入する、メキシコとの国境に壁を建設する、永住権(グリーンカード)の抽選を能力主義に変更する、家族を呼び寄せる連鎖移民を制限するという4つの骨格を示しました。ただ、野党の民主党がすぐに反発したほか、与党の共和党内にも不協和音があることが露呈しました。移民制度改革は時間がかかりそうです。


外交、安全保障政策については、異例とも言える長い時間を割いて北朝鮮を批判しました。北朝鮮で拘束され、帰国直後に死亡したアメリカ人学生の両親、貧困で意識を失い列車にひかれて左足と左手首を失った後に脱北したチ・ソンホさんを招き、核開発だけではなく、人権問題でも痛烈に批判しました。最重要課題として北朝鮮に対する圧力を強める方針を示しました。


新味に欠けましたが、力強い演説でした。ただ、移民政策などで民主党の不信感を高める結果になり、トランプ大統領が演説で求めた「結束」には程遠い状況です。11月に中間選挙を控え、与野党の攻防が今後激しさを増しそうです。次の政治の節目は、暫定予算が切れる2月8日に訪れます。


[January 31, 2018]  No 031843829

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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