2分でわかるアメリカ

2018/01/27トランプ大統領、通貨とTPPの本音

「外遊中は非常にマナーがいい」、世界経済フォーラム(ダボス会議)に参加したトランプ大統領について、CNBCのアンカーがこう表現しました。アメリカ国内では暴言を繰り返すものの、一旦海外に出ると紳士的な振る舞いをする。初の外遊となった中東訪問の際もそうだった。ダボス会議でも紳士的な面をみせたと。

保護主義を強めるのではないか。アメリカの現職の大統領として18年ぶりにダボス会議を訪れたトランプ大統領に警戒感が広がりました。しかし、演説やメディアとのインタビューでは、不公正な貿易を警告したものの、条件が良ければTPPへ復帰することを示唆するなど柔軟な姿勢を示しました。チャーミングな笑顔が印象的。トランプ大統領のファンになった世界の企業経営者が増えたのではないかと想像します。

アメリカ国内では、ロシア疑惑が大きなニュースになっています。ニューヨークタイムズは25日、トランプ大統領が、ロシア疑惑を捜査するモラー特別検察官を解任しようとしていたと報じました。関係筋4人の話として伝えたもので、ホワイトハウスの法律顧問が強く反対したため、実行しなかったとしています。

トランプ大統領は報道を否定しました。それだけではなく、モラー特別検察官の聴取を受ける意向も示しました。聴取では、2016年の大統領選でロシアと結託したか、司法妨害の有無が焦点になると予想されます。

トランプ大統領は、就任1年目で大型減税の公約を実現しました。ただ、支持率は過去最低水準、11月の中間選挙で苦戦が予想されています。ロシア疑惑で潔白である印象を有権者に与えたい。海外の同盟国との摩擦は最小限に抑えたい。内憂外患のトランプ大統領はそう考えているようにみえます。ただ、ロシア疑惑の捜査をやめさせたい。アメリカに圧倒的に有利な条件でなければ多国間協定を結びたくない。そして、貿易を促進するため米ドル安にしたいというのが本音ではないか。ぶれる言動や側近とのズレからそう思えます。

[January 26, 2018]  No 031843826

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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