2分でわかるアメリカ

2018/01/19米企業レパトリと米ドル相場

アメリカのアップルが17日、国外に滞留させている資金を本国に戻すことに伴い、380億米ドル(約4兆2000億円)の税金の支払いを見込んでいることを明らかにしました。


去年のクリスマス前に成立したアメリカの税制改革では、アメリカ企業が海外の利益をアメリカに還流させるまで国内での納税を先延ばしできる制度を廃止しました。現金は15.5%、流動性が低い資産については8%の税率が適用されます。当初の予想より税率が高くなったものの、還流を促すために十分低いと指摘されています。


アップルは、アイルランドなどヨーロッパを中心に海外の口座に2520億米ドル(約27兆9700億米ドル)の利益を留保しています。アメリカ企業で最大。海外留保のほとんどをアメリカに送金すると予想されています。


トランプ大統領はアップルの発表について「アメリカにとって非常に大きな勝利」だとツィッターへの投稿で称賛しました。


企業や投資家が海外から本国に資金を引き揚げることをRepatriation(レパトリエーション)と言います。本来の意味は本国へ帰還すること。日本語では略してレパトリと呼ばれることが多いです。


アメリカ企業の海外保留の資産の多くは米国債だと指摘されています。アップルの発表を受け、レパトリのため米国債を売り、結果として利回りが上がる可能性がある。もしくは、現地通貨で米ドルを買うなどの思惑が広がり、17日の米ドル高要因になりました。


新しい税制を受けて行動を起こすのはアップルが初めて。グーグルやインテルなどの大手テクノロジー企業や医薬品大手などが続く可能性があります。アメリカ企業のレパトリによる米ドル押し上げ効果は限定的との見方があります。ただ、大企業のレパトリのニュースが出るたびに相場が一時的にせよ反応する可能性があります。


[January 18, 2018]  No 031843820

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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