2分でわかるアメリカ

2018/01/10トランプの精神状態と「ゴールドウォーター」

アメリカのトランプ大統領が先週末、キャンプ・デービッドにペンス副大統領、ティラーソン国務長官ら閣僚、そして議会の共和党幹部を招き2018年の政策テーマについて協議しました。協議後にトランプ大統領が記者会見。後ろにペンス副大統領らがずらりと並び、大統領の一言一言に何度も力強くうなずきました。

記者会見をホワイトハウスが演出した可能性があります。ホワイハウスのスタッフの一人がワシントンポストに対し、キャンプ・デービッドでは「ビジュアル的にチームが一体となっていることを示せた」とコメントしました。

ワシントンポストは、トランプ大統領のメンタルヘルス(精神的健康)をめぐる議論を沈静化するのに苦慮していると報じました。

過激な発言や行動などから、トランプ大統領の精神状態が安定していないと指摘されてきました。一部の精神科医が「精神異常の疑いが濃い」とする寄稿文が主要紙に掲載されたこともあります。しかし、多くの精神科医は沈黙を保ったまま。「ゴールドウォーター・ルール」に従ったものとみられます。

「ゴールドウォーター・ルール」とは、アメリカ精神医学会の倫理規定第7.3節の俗称です。1964年にFactという雑誌が、急進的な共和党の大統領候補であるバリー・ゴールドウォーター上院議員(当時)のメンタル特集を組みました。この中でゴールドウォーター氏の大統領としての適性について精神科医の投票を行いました。記事が大きく影響、ゴールドウォーター氏は選挙で大敗。その後、名誉毀損訴訟が起こされました。これがきっかけとなり、直接診断していない公的人物の精神状態について公の場で発言することを自主的に禁止しました。

ただ、メディアは別。ホワイトハウスの暴露本が先週発売されたことに関連し、トランプ大統領が「自分は頭が良く、非常に安定した天才だ」と述べたことを揶揄して報道。トランプ大統領のメンタルヘルスがニュースチャンネルの新たな重大テーマになりました。

トランプ大統領が今週金曜日、健康診断を受ける予定。診断結果が公表される方向です。ただ、精神科医の診断は含まれていないそうです。

 [January 09, 2018]  No 031843814

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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