2分でわかるアメリカ

2017/12/30米税制改革で大混乱、自衛で長蛇の列

アメリカの新しい税制が2018年1月1日から始まります。トランプ大統領が税制改革法案に署名してから1週間が経ちましたが、税額がどうなるのか依然として不明。トランプ大統領の主張通り税金が減るのか、それとも増えるのか。

研究機関や専門家の多くが、税制改革で最も恩恵を受けるのは企業だと指摘しています。
法人税率が35%から21%に下がる。ただ、バランスシート上の繰り延べ税金資産を再評価する必要があるため、一時的に企業の収益を圧迫する可能性があります。ブルームバーグによりますと、バンク・オブ・アメリカは30億米ドル(約3375億円)の減損費用を計上します。ゴールドマンサックスは、税制改革の影響で第4四半期の利益が50億米ドル(約5625億円)減ると発表しました。

個人の固定資産税をめぐっては大混乱しています。固定資産に対する税率が高いニューヨーク、ニュージャージー、コネチカット、カリフォルニアなどの税務当局に問い合わせが殺到しています。

これまでは、固定資産税を含む州・地方税控除が連邦所得税から無制限に控除できました。しかし、税制改革により控除額に1万米ドル(約112万5000円)の上限が設定されました。

2018年度分の固定資産税を前払いすれば全額控除できるとの噂が広がり、駆け込み納税が殺到。ニューヨークなどの税務当局に長蛇の列ができていると主要メディアが報じました。

問い合わせの急増、各地の混乱を受け、日本の国税庁に相当する内国歳入庁(IRS)は28日、固定資産が今年評価された場合に限り年内に前納すれば全額控除できると発表しました。ただ、混乱が収まる気配はありません。

トランプ大統領が歴史的な偉業と自負する税制改革。経済、社会への影響が本当にわかるまでには、まだ時間がかかりそうです。

新年はアメリカ東部時間3日(日本時間の4日朝)に再開します。どうぞ良いお年をお迎えください。

[December 29, 2017]  No 031843809




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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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