2分でわかるアメリカ

2010/11/19ゴールドマンと追加緩和の関係


先日、名刺を整理していたらゴールドマン・サックスのチーフ・エコノミストの名刺が出てきました。テレビ東京の記者時代に何度かインタビューし、またソニー時代にアメリカ経済の動向を聞くため幹部とマンハッタンのオフィスを訪ねたことがあります。その人の名前は、ウィリアム・ダドリー。現在のNY連銀の総裁です。

NY連銀は、12ある地区連銀の中で特別な地位を持ち、追加金融緩和で実際に国債を買い入れるのはNY連銀ですし、最近はありませんが、市場介入はFRB本部ではなくNY連銀が実際に介入します。ダドリー総裁は、金融政策を決めるFOMCの副議長、つまりナンバー2でもあります。前任者は、ティモシー・ガイトナー財務長官です。

このダドリー総裁が今週、全米の注目を集めました。「Quantitative Easing Explained」(量的緩和の説明)と題された6分48秒のアニメビデオがユーチューブに投稿され、ウォール街だけではなく全米が注目、アクセス数は100万を超えています。この中にウィリアム・ダドリーNY連銀総裁の名前が登場します。(ご興味のある方は英語ですがどうぞ)

FRBの追加金融緩和をわかりやすく、ブラックユーモアで批判する動画ですが、NY連銀が追加緩和で国債をプライマリー・ディーラーであるゴールドマンから購入それを指揮しているのはゴールドマン出身のダドリー総裁だと説明しています。

ゴールドマンが今年春に証券取引委員会(SEC)からサブプライムローン関連商品の販売に関して訴えられたとき、政府とゴールドマンの深い関係が浮き彫りになりました。リーマン・ショックの際に財務長官だったポールソン氏はゴールドマン出身、ルービン元財務長官も元ゴールドマンCEOでした。いまのCEOであるブランクファイン氏はホワイトハウスに何度も出入りしていました。

ゴールドマンの影響力は金融業界で群を抜いていて、優秀な人材を数多く抱えています。経済がうまく回っていれば、ゴールドマンが批判されることはないと思うのですが、それほど景気が悪い、または苦しんでいる人が多いということだと思います。  

[November 18, 2010] No 010292

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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