2分でわかるアメリカ

2017/12/232018年の米ドル、2つの脅威と不透明感

ロサンゼルスの道路がいたるところで大渋滞していました。きのうの夕方のこと。クリスマスと大晦日を控え、年内いっぱい休む企業が多い。けさ(22日朝)は、空港に向かう道路だけが混雑していました。AAAによりますと、今週末から年末年始までに1億700万人のアメリカ人が旅行する予定。「アメリカ株式会社」は年明け2日に再開します。

アメリカ人は、日本人やヨーロッパの人と比べ外国為替相場への関心が薄い。米ドルが基軸通貨だからだと指摘する人がいます。それでも、年末年始に海外に旅行する人が多く、国外の販売シェアが大きいアメリカ企業も少なくない。個人的な感想ですが、レートを気にするアメリカ人、企業が増えつつあります。

対主要通貨の動きを示す米ドル指数は、年初からこれまでに約8%低下しました。米ドル/円だけをみているとわかりづらいですが、米ドルは対ヨーロッパ通貨などで大きく下げました。

ダウジョーンズの傘下にあるマーケットウォッチが、2018年に米ドル相場を圧迫しそうな要素をまとめました。

まずは日本円。日銀は21日の金融政策決定会合で政策の現状維持を決めました。黒田総裁が利上げ観測を払拭しました。それでも、日銀が来年、緩和政策の縮小に動くとの予想が根強くあります。

マーケットウォッチによりますと、モルガンスタンレーは「世界的なリフレが日本のインフレ率を押し上げ、日銀がようやく緩和縮小に動く」と来年のG10通貨の見通しでコメントしました。円高が進むと予想するストラテジスが意外に多い。TD証券のストラテジストは、円相場が104円まで上昇すると予想しました。

2つ目はユーロ。ドイツがけん引する形でユーロ圏経済が回復、ユーロの対米ドル相場は年初から10%高い水準で取引されています。ストラテジストの多くが、ユーロ相場にブル(強気)な投資家心理が年明け以降も続くと予想しています。

読み切れないのがアメリカのインフレ率と政策。22日に発表された11月のPCEコアデフレーターは前月比0.1%、前年同月比で1.5%の上昇でした。来年2月初めに退任するFRBのイエレン議長は、景気が強いのに物価が上がらないことを「ミステリー」だと表現しました。トランプ大統領が署名、22日に法律になった税制改革が2018年の物価や賃金を押し上げるかは見方が分かれています。アメリカ企業が海外にため込んだ巨額資金を還流するかどうかも不明。トランプ政権の貿易政策も来年の米ドル相場に影響する可能性があります。

アメリカ東部時間の25日月曜日はクリスマスのため連邦祝日。お休みし、26日(日本時間の27日朝)に再開します。

[December 22, 2017]  No 031843805




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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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