2分でわかるアメリカ

2017/12/22アメリカは本気、292%関税の方針

アメリカ商務省が20日、カナダの重工業大手ボバルディア社の旅客機が不当に安くアメリカに輸出されているとして、制裁措置を適用する方針を固めました。

アメリカが問題視したのはボバルディアのCシリーズ。座席数が100〜150の中型旅客機です、アメリカの航空大手ボーイング社が、ボバルディア社がカナダ政府の補助金を得て、アメリカの顧客に市場価格より大幅に安い価格で売っていると主張。トランプ政権に厳しい対応を求めるロビー活動を展開していました。

商務省は、Cシリーズに対し、反ダンピング税として79.82%、輸出補助金に対する相殺関税として 212.39%、合わせて292.21%を科す方針を決めました。アメリカの国際貿易委員会(ITC)が来年1月後半にもアメリカ企業の被害を認定すれば、制裁が確定します。

「アメリカファースト」を掲げるトランプ政権は、海外企業との競争に苦しむアメリカ企業を積極的に支援しています。ニューヨークタイムズによりますと、今年12月半ばまでに反ダンピングの調査件数は79。オバマ前政権下の2016年と比べ52%増えました。

ボーイングとボバルディアの衝突をきっかけにアメリカとカナダの通商摩擦が強まれば、北米自由貿易協定(NAFTA)の見直し交渉に悪影響を及ぼす可能性があります。

カナダのトルドー首相がトランプ大統領の保護主義的な対応に不満を漏らしています。イギリスのメイ首相もアメリカに公平な対応を求めています。貿易が大きな外交問題になりつつあります。

まだ表面化していませんが、トランプ政権の保護主義的な対応が日本にも及ぶ可能性があります。安倍首相が対北朝鮮政策で同盟関係を強化しましたが、今後、貿易問題でトランプ政権が強硬姿勢に転じるかもしれません。

 [December 21, 2017]  No 031843804

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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