2分でわかるアメリカ

2017/12/14「Write-In」が明暗分ける、12月27日が焦点か

12日に実施されたアメリカ・アラバマ州の連邦上院補選は、元連邦検事で民主党候補のダグ・ジョーンズ氏が当選を確実にしました。開票率99%の時点で、ジョーンズ氏は49.9%、共和党のロイ・ムーア候補は48.4%。

得票差が0.5%以内の場合、アラバマ州では再集計するルールになっています。軍人などの投票がまだ集計されていないこともあり、ムーア候補は敗北をまだ認めていません。しかし、開票率が100%になっても得票差が0.5%以内になる可能性はないとの見方が優勢。民主党のジョーンズ氏の勝利が変わることはなさそうです。

トランプ大統領は12日夜、「Write-In が勝負を決めたが、勝ちは勝ちだ」として、ジョーンズ氏を祝福するツィートをしました。

アラバマ州を含めアメリカの多くの州では、投票用紙に記載されていない候補以外の名前を書き込むことが認められています。例えば、自分の名前を書くこともできます。Write-In(ライトイン)と呼ばれる特別ルール。選挙期間中に共和党のムーア候補の過去の少女へのわいせつ疑惑が浮上したことで、2万人以上の共和党の支持者がムーア氏に投票せず、Write-Inを選択したと指摘されています。

アラバマ州では、去年の大統領選でトランプ大統領が民主党のクリントン候補に圧勝しました。保守王国で、セクハラ疑惑がなければ、ムーア氏が60%以上を得票したとみられています。

ワシントンポストは、民主主義の尊厳を守ったアラバマ州に感謝するとする社説を掲載しました。ニューヨークタイムズも「ムーア氏の敗北は健全だ」と主張、アラマバ州の上院補選の結果を歓迎しました。

アラバマ州が民主党のジョーンズ氏に「上院への切符」を渡すのが12月27日か28日になりそうです。上院は現在、共和党52、民主党48で構成されていますが、ジョーンズ氏が正式に上院議員になれば51対49になり拮抗します。共和党が12月27日までに税制改革を採決する動きを強めそう。上下両院が13日までに税制改革の統一案で基本合意、数日中に採決に持ち込む可能性があります。

長期的には、中間選挙を控え、共和党が来年の政治テーマを見直すことになりそうです。選挙結果はトランプ大統領にとっても打撃で、政権運営が難しくなる可能性があります。2020年の再選選挙をにらんで戦略を立て直すかもしれません。

 [December 13, 2017]  No 031843798

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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