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2017/12/06米減税効果、期待に反し小さい可能性

アメリカ上下両院が、それぞれの税制改革法案を可決しました。479ページある上院の法案は、採決ギリギリまで調整が続けられ、最後は解読不能な手書き修正が加えられました。賛成した共和党の51人の上院議員が法案を読んでいるか疑わしい。来年に中間選挙を控え「通過させるしかなかった」と評されています。

いずれにせよ本番はこれから。全米が注目する中、上下両院の法案のすり合わせが今週にも始まります。暫定予算と連邦政府債務上限の引き上げの期限が8日に到来するため、議会が「つなぎ予算」を採決する方向です。

4日のニューヨーク株式マーケットでは、上院が2日未明に税制改革法案を可決したことを好感して、大幅高で取引が始まりました。しかし、終盤にダウは上げ幅のほとんどを消しました。減税の経済効果が期待ほど大きくないとの見方が広がったからです。5日も売りが先行しました。

きっかけの1つがゴールドマンサックスのレポートでした。ビジネスインサイダーなどによりますと、ゴールドマンサックスの2人のアナリストが共同で書いたレポートは、減税による2018年と2019年の成長押し上げ効果が約0.3%しかないとしています。

アメリカで最有力のビジネススクールのウォートンスクールの分析モデルは、景気押し上げ効果が0.03〜0.08%と試算。超党派でつくる議会の税制センターの試算では0.002%、議会の共同委員会の分析では0.08%でした。

バラツキがありますが、いずれも「成長を大幅に押し上げる」とするトランプ大統領や共和党と大きく異なる見解であることに違いがありません。

最終案は、上院の案に近いものになるとの指摘が多く、また、法人税率が20%から小幅引き上げられる可能性があります。さらに、医療保険加入義務が外される可能性が高そう。サマーズ元財務長官は、税制改革で無保険者が増え、年1万人が死亡すると警告しました。最終案がどうなるか。マーケットに影響しそうです。


[December 05, 2017]  No 031843792

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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