2分でわかるアメリカ

2017/12/02「2018年は円の年」説

11月の円相場は約2.4%上昇しました。G10通貨の中で最もパフォーマンスが良い通貨の1つでした。フィナンシャルタイムズは、マーケット全体の米ドル安基調だけではなく、別の理由で円の上昇が注目されていると解説しました。日銀の鈴木人司審議委員が、物価上昇が2%に近づいた際に政策金利を見直す可能性を示唆したことがアナリストの注目を集めたとしています。

日銀が出口戦略に動く。この見方が、アナリストの来年の円相場見通しに大きく影響しています。「2018年は円の年」になる。アメリカの大手金融機関モルガンスタンレーがそう考えています。

2012年に安倍政権が誕生、それ以降、円の対米ドル相場の下落基調が続きました。日銀の超緩和策が大きく影響しました。日銀がマイナス金利を導入、円で調達した資金を金利水準が高い国の金融商品に投資する「円のキャリートレード」が加速しました。2012年末に86円58銭だった円相場は、2015年7月末には124円台まで上昇しました。

ポンドスターリングライブによりますとモルガンスタンレーのストラテジストは、2つの要因で円が来年堅調に推移するとみています。1つ目は、日本の物価が上昇し日銀が積極的な緩和政策を転換する可能性があること。そして、リスクが高いとされる世界の金融資産の魅力が薄れ「円のキャリートレード」が巻き戻ると予想されることが2つ目です。

モルガンスタンレーはまた、アメリカのFRBの「パウエル新議長」主導の利上げペースがゆるやかになることや世界の投資環境などを背景に、米ドル/円の上値は限定的になると予想。

その上でモルガンスタンレーは、米ドル/円の2018年の第1四半期(1-3月)見通しを当初予想の116円から114円に修正しました。第2四半期(4-6月)は112円、第3四半期(7-9月)は108円、そして第4四半期(10-12月)は105円と予想しました。

モルガンスタンレーの2018年の円相場見通しは、イギリスの大手銀行バークレイズの予想とほぼ一致した見方です。
 
 [December 01, 2017]  No 031843790

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2018.12.11 更新中国がiPhone差し止め、微妙なタイミング中国の福建省福州の裁判所が、特許侵害をめぐるクアルコムとの訴訟に関し、アップルのiPhoneの輸入と販売を差し止める仮処分を下したことが明らかになりました。クア…
  • 2018.12.08 更新2019年のFRB、世界経済、投資マーケットの2018年のテーマは、堅調なアメリカ経済、利上げを継続するFRB、トランプ政権の保護主義的な政策でした。トランプ大統領やFRBのパウエル議長の発言で…
  • 2018.12.07 更新NY株安、ミステリーで始まったニューヨーク株式市場は5日、ジョージ・H・W・ブッシュ元大統領の国葬のため休場でした。シカゴ・マーカンタイル取引所(CME)では、アメリカ東部時間の5日午後6時…
  • 2018.12.06 更新第41代アメリカ大統領ジョージ・ハーバート・ウォーカー・ブッシュ第41代アメリカ大統領の葬儀が5日、ワシントンで営まれました。国葬は2007年のジェラルド・フォード第38代大統領の葬…
  • 2018.12.05 更新逆イールド、景気後退の恐怖通常、償還期間が短い債券の利回りは、期間が長い債券の利回りより低い。例えば、2年債の利回りは10年債利回りより低い。ただし、逆転することがあります。金融業界で「…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ