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2017/11/16「米企業のお手本」をリセット

東京都の小池百合子知事は9月27日、「日本をリセットするために希望の党を立ち上げる」と宣言しました。しかし、衆院選で希望の党は大敗。小池知事は党代表を辞任する意向を明らかにしました。「排除発言」が敗因などと言われていますが、「リセット後の日本」を具体的に示せなかったことが影響したのではないか。

ゼネラル・エレクトリック(GE)の株価が低迷しています。ジョン・フラナリー会長兼CEOは、8月に就任後初めての13日の投資家との会合で、「2018年にGEをリセットする」と述べました。事業を電力、航空機、ヘルスケアの中核3分野に絞り込む方針を説明。同時に200億米ドルを超える資産を今後2年間で売却、大幅な減配にすることも発表しました。しかし、投資家は「リセット後の不確実性が大きい」として、持株を大量に売り始めました。

GEはコネチカット州に本社を置くコングロマリット(複合)企業。1873年に発明王トーマス・エジソンが実験室を開いたのがルーツです。1896年にニューヨーク株式マーケットのダウの構成銘柄に採用されました。ダウを構成する30社が過去に何度も入れ替わりましたが、GEはいまもなおダウ銘柄です。アメリカを代表する企業であり、長きに渡って「企業のお手本」とされてきました。

個人的な話ですが、ソニー時代にGEを何度も訪問しました。独特の企業文化に驚き、細かくメモを取った記憶があります。「伝説の経営者」とされたジャック・ウェルチ元会長が進めた「シックスシグマ」も勉強しました。

フラナリー会長が「選択と集中」「リセット」に舵を切ったのは、複雑すぎる事業構造があるとされています。ウェルチ元会長時代の20年間に、金融部門のGEキャピタルをテコに買収を繰り返したことが影響しているとの指摘もあります。イメルト前会長時代に金融やメディアから撤退しましたが、依然として複雑な構造に変わりはありません。

GE株は今週に入り約13%下落。年初からの下落率は40%に達しています。それでも株価収益率は21倍で、S&P500の平均を上回っています。多くのアナリストが投資判断を引き下げる意向を示していて、さらに売られる可能性があります。

日本の毎日新聞は、小池都知事が希望の党の代表を辞任したことについて、「投げ出した」との批判があると解説しました。リセットして再生を目指すフラナリー会長が投げ出すことは考えられません。ただ、リセットの結果が出るまでは、向かい風が強そうです。

[November 15, 2017]  No 031843779

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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