2分でわかるアメリカ

2017/11/1512月は材料でいっぱい

1年前。アメリカの選挙で異例の大統領が誕生したことを受け、期待感でウォール街が沸きました。トランプ氏が勝利宣言スピーチで、減税やインフラ投資など積極的な経済政策を公約したからです。勢いが12月に加速、ニューヨーク株式相場の上昇基調はいまも続いています。


今年はどうか。来月12月は、マーケットの勢いが続くかの重要局面になりそうです。材料が山積みです。


ライアン下院議長は今週16日に税制改革案を採決する方針です。上院共和党は独自案に修正を加え、早期に採決に持ち込みたい考え。上下両院でそれぞれの案が可決されれば、評議会を立ち上げ、共同法案の作成に向け調整することになります。ただ、法人税減税の適用時期、個人所得税の最高税率や所得区分、控除の適用範囲と規模など隔たりが多く、調整に時間がかかる可能性があります。ヤマ場が年末になることも予想されます。


税制改革では、連邦政府の財政赤字を増やさないことが求められます。言い換えれば、減税分を補填する財源の確保が焦点になります。それに関連して、2018年度(2017年10月〜2018年9月)の暫定予算の期限が12月8日に切れます。ライアン下院議長は、12月8日以降の連邦政府の支出を手当てするため、再度つなぎ予算案の編成に動く可能性があります。税制改革と並び、予算をめぐる討議がマーケットの材料になりそうです。野党・民主党が抵抗することも予想されます。


一方、FRBは12月12日と13日に金融政策を決める会合(FOMC)を開きます。0.25%の利上げを決めるとの予想が優勢です。声明発表後、イエレン議長は記者会見を予定。FRBは同時に、最新の経済見通しを公表します。インフレ率見通しと金利見通しが相場に影響する可能性があります。FRB人事も注目されています。ダウ・ジョーンズは、ホワイトハウスがFRBの副議長にアリアンツのエラリアン主席経済顧問を検討していると伝えました。


[November 14, 2017]  No 031843778


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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