2分でわかるアメリカ

2017/11/03税金は会社より個人から

アメリカの下院共和党が2日、税制改革案を公表しました。予定より1日遅れの発表。一部を最終調整したためと説明されました。

約400ページにわたる案では、法人税を35%から20%へ即時引き下げることが盛り込まれました。アメリカ企業が海外に留保する利益については、現金などの流動資産に対し12%、固定資産に対しては5%課税するとしています。いずれも幅広い分野の大手企業に有利な案といえます。

個人所得税については、所得額段階を現在の7から4に簡素化します。基礎控除は2倍になりますが、州税の控除がなくなります。住宅ローンの控除は、これまで100万米ドルまで認められましたが、50万米ドルに引き下げられました。

ウォールストリートジャーナルは、下院共和党の案は、個人に課税し、会社には課税しないという案だとするコラムを掲載しました。世界の潮流に乗った案だとしています。

確かにそうみえます。近く、専門家の詳細な分析が発表されると思いますが、多くのアメリカ人の個人税額がほとんど変わらない可能性があります。増税になる人もいそう。一方で、企業は減税で業績が好転、その結果、株価がさらに上がる可能性があります。

問題は、財政赤字を拡大させないで、法人税などの大幅減税を実施できるかです。野党の民主党だけではなく、与党の共和党内でも見解にばらつきがあります。州税などの控除廃止にも反対が多い。

トランプ大統領と共和党は、今年のクリスマスまでに税制改革を成立することを目標にしています。ただ、意見調整が難航、時間がかかる可能性があります。下院共和党の案が大幅に修正されることも予想されます。遅くとも2017年度の申告期限の来年春までに間に合うか。まだ、見えません。
 

 [November 02, 2017]  No 031843770

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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