2分でわかるアメリカ

2017/10/18「オーパス・ワン」が上がる?

アメリカ西海岸のカリフォルニア北部を襲った山火事。死者数が少なくとも41人。発生から9日後の17日までに約70%を消火、ようやく終わりが見えました。ただ、今後、死者数が増えることが予想されます。約6500軒の住宅や建物が焼失。範囲は東京23区の面積を上回りました。山火事に見舞われたのはワインの産地として知られるナパ郡とソノマ郡です。

ワインスペクテーターによりますと、今回の山火事で少なくとも8つのワイナリーが壊滅的な被害を受けました。ナパのロイ・エステート、シグノネロ・エステート、ホワイトロック、そして、ソノマのパラダイス・リッジなどです。このほか、スタッグス・リープなど11のナパのワイナリーも一部被害を受けました。

ブドウの収穫は約9割が終わっていました。ただ、煙や高温、停電などによる影響で、熟成中のワインの品質の低下が懸念されています。ブドウ畑を全て失ったワイナリーもあります。2014年と2015年のビンテージの出荷時期と重なり、流通への影響も予想されます。

サンフランシスコ・クロニクルは、「人命の喪失とワインの損失を比較することはありえない」と伝えました。その通りだと思います。ただ、ワイン産業は地域に住む人の生活の糧。甚大な被害、今後への影響が暗雲になっています。

ナパとソノマのワイン生産量はアメリカ全体の約9割を占め、約10万人を雇用しています。ワイン業界団体によりますと、経済規模は年250億米ドル(約2兆8000億円)と巨大です。

10月半ば。毎年この時期には、日本でも有名なナパの高級ワイン「オーパス・ワン」が発売されます。今年の入荷状況はまちまち。しかも価格が前年比で3割程度上がっています。異例のこと。山火事の影響かは不明です。天候不順で、フランスのボルドーなどもワイン生産量が減っているとされています。品薄で、今後ワインの価格の上昇は避けられないとみられます。


 [October 17, 2017]  No 031843759

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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