2分でわかるアメリカ

2017/10/12トランプ政治を象徴するNAFTA協議

アメリカ、カナダ、メキシコの北米3カ国による北米自由貿易協定(NAFTA)を見直す交渉が11日からワシントンではじまりました。8月に始まった交渉は今回が4回目、17日まで協議する予定です。


過去3回の交渉は、アメリカが自国を「特別扱い」するよう要求し、難航しました。ウォールストリートジャーナルによると、アメリカのトランプ政権は今回の交渉で、内容を骨抜きにする方法を多数提示する方針です。


具体的には、3カ国すべてが更新に動かない限りNAFTAが5年で失効する「サンセット条項」を提案する見通しです。アメリカ製の自動車部品の調達率設定や紛争時の解決の仕組みを弱めることなども提示する方向です。


アメリカの提案の大枠は少し前から明らかにされていますが、カナダとメキシコの両政府が強く反発しています。アメリカの経済団体からも反対の声が上がっています。アメリカを特別扱いしすぎで不平等、しかも不安定だと批判しています。


1994年に発効したNAFTAは、アメリカを含めた北米3カ国の貿易の仕組みを変えました。アメリカ企業が多くの恩恵を受けたとする見方が優勢です。しかし「アメリカ第一主義」を掲げるトランプ大統領は、NAFTAには問題が多いとして、協定からの撤退をチラつかせました。見直し交渉でもその方針を貫いています。しかし、内外の反発が大きく、先行きは極めて不透明です。


従来路線を大幅に変更する志を示すものの、具体策や解決策に欠け、戦略に一貫性がない。多くの反発を招き、その結果、実現しない。トランプ大統領はそうみられています。NAFTA協議も、トランプ政治を象徴する動きになっているような気がします。


 
[October 11, 2017]  No 031843755


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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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