2分でわかるアメリカ

2017/10/06盛り上がる独立機運と現実

1日の住民投票を受け、カタルーニャ州はスペインから独立する方向です。投票結果が州議会に正式報告される9日にも独立を宣言する可能性があります。暫定結果では、独立賛成票が90%に達しました。


カタルーニャのプチデモン州首相は、中央政府との交渉に応じる意向を示しています。しかし、スペイン政府のラホイ首相は「投票は違憲だ」として、対話を拒否しています。国王フェリペ6世が異例の政治介入をしましたが、混乱はおさまるどころか、深刻化する一方です。


バルセロナを州都とするカタルーニャは、スペインでもっとも裕福な州です。独自の文化と言語を持っています。ただ、独立を宣言しても、国際社会が認めない可能性が高く、EUの枠からも外れることになります。「いばらのみち」を本当に州民が望んでいるかは不明です。スペインの大手銀行が本社をカタルーニャ州の外に出す動きが活発化しています。


独立といえば、イラク北部のクルド自治政府が先月末に実施した住民投票でも、独立賛成派が90%を超えました。こちらも中央政府と対立、混乱が続いています。スペインと異なるのは、イランやトルコなど周辺国を巻き込んでいることです。トルコのエルドアン大統領は5日、イラクとの国境と空域を閉鎖する意向を示しました。


独立を求めるスコットランドを抱えるイギリスは、去年の国民投票でEUからの離脱を決めました。ある意味で「EUからの独立」。ブレグジット(イギリスのEU離脱)交渉を主導するメイ首相は、政権が不安定になり、辞任の噂まで流れています。


また、去年11月のアメリカの大統領選でトランプ氏が勝利したことを受け、カリフォルニア州が独立するのではないかと噂されました。シリコンバレーなど有力企業を多く抱えるカリフォルニア州の経済規模は、イギリスに次いで世界6位。ただ、外交、防衛、社会保障などをゼロから立ち上げるのは不可能で「非現実的だ」として、噂はすぐに風化しました。
 


[October 05, 2017]  No 031843751

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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