2分でわかるアメリカ

2017/10/05政治の隙間と北朝鮮問題

韓国の国家安全保障室長は先月末、10月10日の朝鮮労働党創建記念日や18日の中国共産党大会開幕の前後に、北朝鮮が新たな軍事挑発に動くことが予想されると述べました。ほぼ同じタイミングで、韓国のメディアは、北朝鮮が平壌郊外の施設から複数の弾道ミサイルを搬出したと報じました。韓国は10月9日まで大型連休です。


「言葉の戦争」を北朝鮮と繰り広げるアメリカのトランプ大統領と、ティラーソン国務長官の不仲説がニュースになっています。NBCによると、ティラーソン国務長官は7月下旬に、トランプ大統領を「moron(まぬけ)」と公然と批判、辞任しようとしました。ティラーソン長官自身は否定しましたが、「火のないところに煙は立たぬ」とみられています。


アメリカ社会の関心は、プエルトリコのハリケーン被害とラスベガスの無差別大量殺人事件および銃規制に集まっています。議会は、税制改革という重い課題も抱えています。政治が社会の関心を優先する傾向があるので、北朝鮮問題への取り組みは後退こそしないものの、対応をめぐる議論は止まっているようにみえます。


一方、日本では衆院解散選挙が予想以上の混戦となり、事実上の政治空白になっています。中国は5年に1度の共産党大会の準備で忙しいようです。


大型連休の韓国、政権内の不調和を抱えると同時に国内問題が山積みのアメリカ、選挙で頭がいっぱいの日本、そして重要イベントを控えた中国。北朝鮮の脅威が高まっているとされるのに、いずれの関係国も北朝鮮問題をめぐる政治体制が手薄になっています。偶然とはいえ、政治の隙間が広がっているようにも思えます。北朝鮮が、現在の環境をどう分析しているのか気になります。


 [October 04, 2017]  No 031843750

※当レポートは、情報提供を目的としたものであり、特定の商品の推奨あるいは特定の取引の勧誘を目的としたものではありません。

※当レポートに記載する相場見通しや売買戦略は、ファンダメンタルズ分析やテクニカル分析などを用いた執筆者個人の判断に基づくものであり、予告なく変更になる場合があります。また、相場の行方を保証するものではありません。お取引はご自身で判断いただきますようお願いいたします。

※当レポートのデータ情報等は信頼できると思われる各種情報源から入手したものですが、当社はその正確性・安全性等を保証するものではありません。

※相場の状況により、当社のレートとレポート内のレートが異なる場合があります。

NOTE

このレポートは、Market Editors が信頼に値すると判断した情報を基に作成されています。あくまでも情報提供が目的であり、その結果について責任を負うものではありません。投資に関しましては、投資家ご自身の判断に基づき決定してください。無断転載や引用を禁じます。

Market Editors
【データ提供】

PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

バックナンバー

  • 2019.01.19 更新NY連銀総裁の警告不法移民を減らし、麻薬取引や人身売買などの犯罪を撲滅するためメキシコとの国境にスティール製の壁を建設するとのトランプ大統領の公約。国境警備の強化には賛成するもの…
  • 2019.01.18 更新ウォール街、株強気派増える17日のニューヨーク株式マーケットでは、モルガンスタンレーの決算が予想を下回ったことなどが影響し売りが先行しました。ただ、下げ幅は限定的。後半の取引で上昇に転じ…
  • 2019.01.17 更新メイ首相続投、5つのシナリオメイ首相が提示したEU離脱協定案の賛否を問うイギリス議会下院の投票が15日夜実施され、反対多数で否決されました。メイ首相が率いる与党・保守党からはEU離脱派と残…
  • 2019.01.16 更新政府閉鎖のネガティブ効果メキシコ国境の壁建設の予算をめぐるトランプ大統領と民主党の対立が続いています。解決に向かう兆候はまったくみられません。9つの省庁の予算が切れ、政府機関の約25%…
  • 2019.01.15 更新破たんした電力会社、どうなるカリフォルニアで起きた山火事をめぐり、一因をつくったとされる電力大手PG&Eが今月29日にチャプター11(日本の民事再生法に相当する連邦破産法第11条)の適用を…

「日刊2分でわかるアメリカ(2分でアメリカがわかる)」過去記事のタイトル一覧(月別)はこちら。

そのほかのマーケット情報

ページトップへ