2分でわかるアメリカ

2017/10/03ラスベガス銃乱射事件

アメリカ・ネバダ州のラスベガスで1日夜に銃乱射事件が発生。少なくとも58人が死亡、515人がけがをしました。けが人のうち100人近くが重傷とされ、死亡者数がさらに増えることが予想されています。


銃を乱射したのはネバダ州に住むスティーブン・パドック容疑者(64)。ラスベガス中心部のはずれにあるマンダレイベイ・ホテルの32階の客室から通りを隔てた屋外イベント会場に向け乱射しました。カントリーミュージックのスターが参加したコンサートが開かれていて、2万人以上が会場にいました。警察が部屋に突入したのは、パドック容疑者が自殺した後でした。


容疑者の父親は銀行強盗容疑で過去に指名手配されていたと伝えられましたが、国際的なテロ組織との関係はないとみられ「ローンウルフ(単独犯)」の犯行とみて警察が犯行動機などを調べています。


トランプ大統領は2日午前、国民向けにテレビ演説し、被害者に弔意を示すと同時に「悪魔の仕業だ」として残酷なテロ行為を非難しました。いつになく悲しみに満ちた演説でした。3日に現地を訪れる予定です。ホワイトハウスではこの日、職員全員による黙祷が捧げられました。


ラスベガスの事件は、死者数でアメリカ史上最悪の乱射事件となりました。ニューヨーク株式相場が崩れることはありませんでしたが、カジノ株は売られました。2日の取引で、事件の舞台となったマンダレイベイを傘下に持つMGMリゾーツの株価は急落、5.5%下げました。ウィン・リゾーツやシーザー・エンターテインメントも下落しました。コンサートなどを企画するライブネーションも大幅安でした。


銃乱射事件が起こるたびに銃を製造しているメーカーの株価が上がるのですが、今回もパターンを繰り返しました。銃器メーカーのスターム・ルガーやスミス&ウェッソンの株価が大幅に上昇しました。


米国には、有事に備えて銃で身を守る必要があると考える人が多くいます。事件によって銃の購入に対する規制が厳格化される可能性があり、駆け込み需要が高まるということが、乱射事件後に銃器メーカーの株価が上がる背景とされています。


実際に民主党は、ラスベガスの事件を受けて銃規制を厳格化すべきだと主張しました。ただ、銃規制の機運が高まる可能性は低そうです。銃器メーカーが積極的にロビー活動をしており、与党の共和党が銃規制に慎重だからです。


先進国の中で、アメリカほど銃を簡単に買える国はありません。アメリカの深刻な社会問題だと事件が起こるたびに感じます。


 
 [October 02, 2017]  No 031843748

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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