2分でわかるアメリカ

2017/09/21ニックネームという得意技

ニューヨークで開かれている国連年次総会。アメリカのトランプ大統領が突出した存在感を示しています。特に、世界150カ国以上の首脳を前にした初めての演説は大きな話題を集めました。

演説原稿は、ホワイトハウスのスタッフが練りに練ったものでした。北朝鮮に対しては慎重に言葉を選びながらも、非常に厳しい内容に仕上げました。CNNによりますと、トランプ大統領が草案に満足せず、演説当日の朝、北朝鮮の部分に関して自らペンを入れました。わかりやすく、直接的な表現に修正しました。

「北朝鮮を完全に破壊する」という発言に国連本部の会場がどよめきました。そして、金正恩朝鮮労働党委員長を「ロケットマン」と呼んだ際、再びどよめきました。超大国の指導者としてありえない発言。金正恩委員長が「ミサイルマニア」だと揶揄した表現。北朝鮮の国連大使は、トランプ大統領の演説直前に退席。抗議の意味を込めた行動だとみられています。

「ロケットマン」と呼んだことを受け、イギリスの歌手エルトン・ジョンさんへの注目が集まりました。名曲「ロケットマン」で知られる大物歌手の姓と金正恩氏をかけて「ジョン・ジョン・タイムだ」とネット上で炎上しました。全米のラジオ局で「ロケットマン」が100回以上流れ、懐メロ化したそうです。

CNBCは、「ロケットマン」はトランプ大統領の戦略だとの指摘があると伝えました。「優れたマーケティング」だと評価されているとしています。

去年の大統領選で、トランプ氏は、共和党候補者だったテッド・クルーズ氏を「Lyin” Ted(うそつきテッド)」と呼び、議論を呼びました。最後まで大統領の座を争ったヒラリー・クリントン氏には「Crooked Hillary (ひん曲がったヒラリー)」とのニックネームをつけました。メディアが繰り替えし引用、有権者に影響を与えたと分析されています。

トランプ大統領は71歳。「ロケットマン」がヒットしたのは45年前の1972年、当時は26歳でした。思い出の曲ではないかと想像します。大統領の狙いだったかの真意は不明ですが、「ロケットマン」が世界のメディアにあふれました。

 
 [September 20, 2017]  No 031843740

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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