2分でわかるアメリカ

2010/11/10米住宅ローン危機 第2章


金融危機から丸二年。きっかけは住宅バブルの崩壊、そしてサブプライムローンという低所得者対象の住宅ローンを組み入れた複雑な金融商品でした。株式相場は危機前の水準まで回復しましたが、住宅バブルの後遺症は重く、危機の第二章ともいうべき状況が起こっています。

  住宅ローンが払えず住宅を失う危機にある人を救済するため、アメリカ政府は、HAMPという政府が保証する形で住宅ローンを組み直し、毎月の返済額を減額する制度を導入しました。

しかし、申請を却下されたり、組み替えが出来ても条件がさらに厳しくなり住宅が差し押さえられるケースが相次いでいます。ウォール・ストリート・ジャーナルは「住宅差し押さえ危機・パート2」として、具体例を紹介しています。

住宅差し押さえに関しては、JPモルガンやバンカメなどが書類をチェックせずに作業を進めていた「ロボ・サイナー問題」が全米で発覚したことは、以前このコラムでもご紹介しましたが、これとは別に住宅ローン関連商品の説明が不十分だったため損失を被ったとしてチャールズ・シュワブがバンカメを告訴した、というようなニュースが連日報道されています。

さらに、サブプライムローンとは別にオプションARMSと呼ばれる選択の変動金利ローンの問題も新たに表面化してきました。ARMSは一定期間に限って支払いを減額するローンですが、「住宅価格は上がり続ける」と信じていたアメリカ人の間で2007年頃ブームになりました。つまり住宅バブルのピークのときに、オプションARMSを借りた人が大勢いるのです。減額期間が終わり、毎月の支払額が大幅アップ、住宅価格が下がり身動きのとれない人が増えています。

来年以降、オプションARMSのデフォルト(債務不履行)が急増するという専門家が少なくありません。アメリカの住宅バブルは、日本のバブルより規模が大きく、複雑だったため、第二章だけではなく、第三章もありそうな予感です。

[November 09, 2010] No 010285
 

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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