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2017/08/19ウォール街が恐れていること

18日のニューヨーク株式マーケットは、急落した前日の流れを引き継ぎ安く始まりました。しかし、ニューヨーク時間の正午ごろ、急速に買い戻されました。AXIOS(アクシオス)という新興メディアの報道がきっかけです。

AXIOSは、ホワイトハウスのジョン・ケリー首席補佐官が近くスティーブ・バノン首席戦略官を解雇する可能性があると報じました。その後、トランプ大統領がバノン氏を解任したことが明らかになりました。

財界と政界、そして軍で、トランプ大統領から距離を置く動きが加速したことで、投資家の不安が高まっています。前日に急落したのは、国家経済会議のゲーリー・コーン委員長の噂が流れたことが大きい。噂は否定されましたが、懸念が残りました。超保守派として知られるバノン氏の解任報道で株価が大きく変動したことは、ウォール街がホワイトハウスの人事にいかに敏感かを示す形になりました。

トランプ大統領から離れる次の大物はティラーソン国務長官ではないか。そんな噂が広がっています。しかし、ウォール街がいま、もっとも恐れているのは政権の2人が辞任することです。

1人はホワイトハウスの国家経済会議のゲーリー・コーン委員長。17日のニューヨーク株式マーケットでダウが274ポイント下げましたが、そのうち200ポイント程度は、トランプ大統領の人種差別発言を嫌ったコーン委員長が辞任するとの噂が流れたからだとの指摘があります。コーン委員長はホワイトハウスでもっとも経済に明るい人物だとされていて、辞任した場合は株価が暴落するとの予想が少なくありません。

ただ、コーン委員長は、FRBの次期総裁の最有力候補であることから、「我慢する」可能性があるとの指摘があります。

もう1人はスティーブン・ムニューシン財務長官。同じゴールドマン・サックス出身のコーン委員長と税制改革の中心的な存在です。ムニューシン長官が辞任した場合、税制改革だけではなく、政府債務の上限引き上げ問題、新年度の予算がいずれも宙に浮くと予想されます。株価、米ドル相場が崩壊するとの見方があります。

名物フロアマンのUBSのカシン氏は、CNBCに対し、トランプ大統領の数々の失策、暴言にもかかわらず、株価がここまで崩れなかったのは、トランプ大統領が起用した有能な閣僚や補佐官がいたからだとコメントしました。

株価を最も支えた2人の重要人物の去就をウォール街が注視しています。


 [August 18, 2017]  No 031843718

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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