2分でわかるアメリカ

2017/08/12物価が上がらない、FRBどうする

アメリカで暮らしていると、年初から物価がほとんど変わっていないと感じます。食品、家賃などが高くなっていますが、ガソリン価格が下がり相殺しています。アメリカ労働省が11日発表した7月の消費者物価指数(CPI)は実感に近いものでした。

7月のCPIは前月から0.1%上昇しました。ブルームバーグ、ロイター、それにダウジョーンズがまとめたエコノミストの予想はいずれも0.2%上昇でした。それを下回ったことになります。予想に届かなかったのは5カ月連続です。

変動が激しい食品とエネルギーを除いたコア指数は前月比で0.1%上昇。これも予想(0.2%程度)を下回りました。前年同月比は1.7%の上昇でした。

詳細をみると、食品価格、医療関連、そして家賃とホテル代金が上昇。その一方で、エネルギー価格が下がりました。携帯電話の料金も安くなりました。 過去12カ月で13.3%も下がりました。個人的にも最近、料金プランを変更、約10%安くすることができました。技術と競争が物価を押し下げていると言えるのかもしれません。

CPI発表を受け、金利先物が示唆するFRBが12月の会合で追加利上げする確率は前日の約40%から32%に大幅低下しました。朝鮮半島の緊張を嫌気して軟調だったニューヨーク株式相場は、弱いCPIを受け上昇に転じました。

FRBが9月にバランスシートの縮小を決めるという見方がほぼコンセンサスになっています。複数の地区連銀総裁の発言がそれを強く示唆しています。FRBは依然として年内にあと1回の利上げをすることを見込んでいます。しかし、インフレ率がFRB目標の2%を下回ったままなので、次の利上げは来年までない可能性が高いとの見方が優勢です。少なくともマーケットでは。

 
 [August 11, 2017]  No 031843713

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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