2分でわかるアメリカ

2017/08/03スーパー301条とスペシャル301条

アメリカのトランプ政権が、中国に不公正な貿易慣行がないかの調査を開始する検討に入りました。ニューヨークタイムズなど複数のメディアが報じました。

トランプ大統領と習近平国家首席の会談での合意を受け、米中政府は7月に閣僚級の包括経済対話を開きました。しかし、実質的な成果がありませんでした。これを受け、アメリカ通商法301条の発動を視野に入れはじめたものです。早ければ数日中に発表される可能性があります。

通商法301条に基づく制裁には4つの手続きがあります。不公正な貿易慣行に対するスーパー301条、知的財産権侵害に対するスペシャル301条、不正な政府調達に対するタイトルVII、そして電気通信分野の電気通信条項です。調査でクロと判定された場合、相手国と是正に向け協議します。それでも解決しなければ報復措置がとられます。

今回は、中国がアメリカの知的財産を侵害していないかに焦点が当てられそうです。スペシャル301条を発動するかもしれないということです。また、効力を失っているスーパー301条を復活させる可能性もあります。

米中の蜜月を模索したトランプ政権が強硬姿勢に転じた背景には、北朝鮮問題があります。アメリカ本土も射程に入った大陸間弾道ミサイルの発射実験をやめない北朝鮮への対応を促す狙いがあるとみられます。トランプ大統領は、ツイッターで中国への不満を表明していました。

中国の対米輸出は、中国GDPの約4%。これに対し、アメリカの対中輸出は、アメリカのGDPの1%未満です。ただ、アメリカ産大豆の主な輸出先は中国。中国は先月、50億米ドル相当のアメリカ産大豆を購入する契約に調印したばかり。中国が301条の報復措置としてアメリカ産大豆に高い関税をかけるなどの事態はどうしても避けたい。トランプ政権がジレンマを抱えています。
 
 [August 02, 2017]  No 031843706

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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