2分でわかるアメリカ

2017/07/25大統領が自ら恩赦したら

去年のアメリカ大統領選で、トランプ陣営がロシアと共謀してライバルの民主党のクリントン候補に打撃を与えた、もしくは選挙そのものを妨害したとされるロシア疑惑。終わりがみえず、トランプ政権の内政、外交に影響しています。

24日には、トランプ大統領の娘婿のクシュナー大統領上級顧問が上院の情報委員会で証言しました。非公開ですが、それを前にクシュナー氏が11ページの長文の声明を公表しました。「ロシア政府関係者とおそらく4回接触した」としながらも、「ロシア政府と共謀しなかった」と疑惑を否定しました。

明日25日、クシュナー氏が下院で証言します。今週は、大統領の長男、ドナルド・トランプ・ジュニア氏と選挙本部長だったマナフォート氏も議会で証言を予定しています。ロシア疑惑が一つの節目を迎えたと言えます。

アメリカの情報機関は、ロシア政府が去年の大統領選に介入したと結論づけました。これを受けた議会は、今週中にも対ロシアの経済制裁を強化する法案を採決する方向です。トランプ政権は当初、法案に反対していましたが、制裁強化を受け入れる方向に転じたと伝えられました。選挙戦で「プーチンを尊敬している」と言っていたトランプ大統領が、世論、マスコミ、議会を無視できなくなってきたことを示すものと受け止められました。

こうした中、トランプ大統領が、ホワイハウスの弁護士団に、家族や補佐官、それに自分自身に「恩赦」を与える権限があるか問い合わせたとワシントンポストが報じました。モラー特別検察官の捜査をけん制するもの。Voxが、15人の弁護士に問い合わせたとところ、白でも黒でもない「グレー」だとの意見だったとのことです。ただ、大統領が実際に自分に「恩赦」を与える大統領令に署名した場合も議会の罷免を避けられず、憲法が崩壊する可能性があるとの見解が複数ありました。
 
[July 24, 2017]  No 031843699

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PROFILE

松島 新(まつしま あらた)氏

執筆者

昭和60年慶大卒後、テレビ東京入社。
ブリュッセル、モスクワ、ニューヨーク支局長、「ワールド・ビジネス・サテライト」担当。
平成13年ソニー入社後、CEO室、ソニー・コーポレーション・オブ・アメリカのバイスプレジデントなど歴任。
現在、金融情報サービス会社Market Editorsにて、エグゼクティブエディター(ジャーナリスト)として情報提供に携わる。ロサンゼルス在住。

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